クレイドル・ウィル・ロック
劇場公開日:2000年10月7日
解説
1930年代、大恐慌がアメリカ全土を襲った時代。22歳のオーソン・ウェルズは“権力に立ち向かう表現の自由”が主題の舞台劇「ゆりかごは揺れる」の演出を担当することになる。政府が支援するこの公演で見事主役を射止めたのは、女優を夢見る貧しい少女オリーブ。公演に関わる様々な人々の思惑が入り乱れる中、稽古は続いた。しかし政府は「非米的な演劇を広めている」ことを理由にこの公演の中止を決定する。
1999年製作/134分/アメリカ
原題:Cradle Will Rock
配給:アスミック・エース
スタッフ・キャスト
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2020年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ジョン・キューザック、ジョーン・キューザック、ジャック・ブラック、ビル・マーレイ、ジョン・タトゥーロなど、有名俳優をふんだんに使いすぎ!ティム・ロビンスの人脈の豊かさを思い知らされます。ラストの演劇には有名セレブが登場しないのが残念だけど・・・
ヨーロッパでは大戦前夜、映画の中でも政治的な話が飛び交う。1930年代の世相や国際情勢の勉強にもなる。この歴史や人物を知らないと全く楽しめない映画なのかもしれない。ハリー・フラナガン役のチェリー・ジョーンズが淡々とした演説ながら味がある説得力だ。ロックフェラーの壁画を書いたディエゴ(ルーベン・ブラデス)も中々。最後のビル・マーレイの腹話術には、いぶし銀のように哀愁がこもっていて良かった。もちろんジャック・ブラックの人間腹話術も・・・もっと見たかった。
ラスト20分の、ベニス劇場にて組合にも出演禁止された彼らが立ち上がり、大喝采の中で劇を演じ感動せずにいられない。思想や政治を超えた演劇人の自由を感じました。そのシーンの途中にも時折入れたロックフェラーの壁画壊しと、クリックショーの人形を棺おけに入れての葬送行進。この行進が1934~1937連邦演劇と書かれ、ラストで現代になっていることから、この組合があった時代を反省した思いがあるのでしょう。