コーチ・カーターのレビュー・感想・評価
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アメリカ版スクールウォーズ
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元バスケの名選手だったサミュエルが不良学校バスケ部のコーチになる。
毅然とした姿勢で徐々に心をつかみ、チームワークや仲間の大切さを教えた。
そして1年足らずでチームはトップクラスになり破竹の16連勝。
サミュエルは最初に生徒たちと契約書を交わしていた。
それは勉強の成績が全員一定以上じゃないとバスケはしないというもの。
図に乗った選手達はいつしか勉学を疎かにし、サミュエルは体育館を閉鎖。
成績を上げなければ練習もさせないし試合にも出さないと強い姿勢に出た。
しかし保護者らが猛反発、16連勝の快挙は地元民をも熱狂させてたのだった。
なのに試合もしないとは何事?ということで体育館開放の決議となる。
サミュエルの友人達の多くは高校卒業後に悪に染まり、刑務所に行ったりした。
それを防ぐためにコーチの仕事も受けたし、勉強もさせたのだった。
その方針が否定され、コーチを辞任しようと決意する。
しかし体育館に行った時に見たのは、学習机を持ち込み勉強する部員たちだった。
成績を戻すまでは練習しないと言う。これによりサミュエルは翻意する。
そして州大会に出場、敗れはしたが少年たちを人間的に成長させた。
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ちょうどスクールウォーズの再放送を見終わったところだった。
なので何これ?めっちゃ同じやんって思ったわ。
時代背景が古いのか、腕立て1000回とか体罰が多いのは気になったな。
あと連帯連帯言うて、1人が遅刻したら全員が罰を食らったりするのも。
そういう昭和みたいな教育で、何で急に強いチームが出来るのかは甚だ疑問。
まあそこは映画やから許すとすれば、なかなか面白い作品ではあったかな。
おいらはオイラーズ
顔見せで生徒をSir付けで呼ぶカーター。しかし腕力あるという熱血コーチぶり。生徒たちはいきなりの“自殺ダッシュ”によって体もへとへとだ。女の子に妊娠させたケニヨンとか、いきなり出て行ったクルーズとか、おどけたワームやライル。契約書を交わさせた直後、カーターの息子ダミアン(ロバート・リチャード)が父親の元で頑張りたいと転校してくる・・・
クルーズはヤクの売人の手伝いもしていたが、なんとかオイラーズに戻りたくなった。戻りたければ過酷な自殺ダッシュと腕立てふせをこなさなければならない。しかし驚異的な回数をこなせなかったクルーズにチームが手助けを・・・といきなり前半で泣いてしまった。
常勝チームとして生まれ変わったオイラーズ。ベイヒル大会にも招待されいきなり優勝をかっさらってしまう。ここまでは完全に典型的なスポコンもの。しかしまだ前半が終わったにすぎない。最初に交わした契約書の内容は学業でも普通以上の成績を取ること。授業には休まず一番前に座るという点があったのだ。
チームプレイは勉強でも同じ、助け合わなければならない。何しろ卒業率50%の高校。若者で3人に1人は刑務所に行くと言う統計が現実的だ。体育館を閉鎖して図書館に缶詰にするも父兄や教師たちからの猛烈な反対・・・ロックアウトを解くなら辞任するとまでタンカを切るが、一旦解除すると体育館の中で勉強しているオイラーズ。珍しくも印象的なシーンだ。
ディライラとかキャンディ、リンダとか女性名のサイン。勉強で活躍した後も快進撃が続く。そして念願の州大会へ・・・初戦でいきなり強豪チームと当たり惜しくも敗退するが、彼らが得たモノは勝利ではなく大学進学。勝つことだけがスポーツの真髄ではないことを教えてくれる。
意識改革
サンテレビ「シネマスタジアム」で鑑賞(吹替)。
人々の意識を変えると云う作業が困難なことは歴史が証明しているし、それに果敢に挑んだ者、成功させた者の道程は決して平坦では無かったでしょう…。それでも諦めず、様々な障害を乗り越えて意識改革を成し遂げるまでの物語は心に刺さって来るし、無条件に感動を覚えずにはいられませんでした。
改革への鍵は、イマジネーションを如何に発揮するか、と云うことではないかなと思いました。このままの状態でバスケ部員たちの将来はどうなるのか? 前例と自身の経験、周囲の環境からカーター(サミュエル・L・ジャクソン)は想像し、どうすれば良いのか考えた末行動に移しました。当然、反発されることも覚悟の上だったのではないかな、と…。新しいことには、皆戸惑い、なかなか認められないものだからです。
そして何よりも欠かせないのが、他者への思い遣りではないでしょうか? バスケ部員たちと真摯に向き合うことが出来なければ、彼らは絶対に着いて来ないだろうし、意識改革なんて夢のまた夢。彼らの気持ちを理解するにも想像力が必要だし、それをよく理解していたからこそ勉強もバスケも将来も成功へと上手く導くことが出来たんだなと思いました。
※修正(2022/03/12)
素晴らしかった
チンピラみたいな高校生が熱心にバスケや勉強に励む姿がとても感動的だった。ルールに対してひどく厳格でそこまでじゃなくてもいいのではないかと思ってしまうが、最終的にはコーチが断然正しかった。しかし、居残り勉強をほんの数週間しただけで追いつけるなら普段の勉強なんかしなくていいのではないかと思ってしまう。
最後の試合、コーチはもっと早く指示を出せば勝てたんじゃないのかと思った。遅いよ。
規律を守り、物事に熱心に取り組むことがいかに大事なことか、そうしなければろくでもない事になる環境であることで身に染みる形で描いている。しかし彼らは元々バスケの才能が相当高いので誰にでも当てはまる物語ではないんだろうなと思った。
私が嫌いなのは、君たちを落ちこぼれにするシステムだ
映画「コーチ・カーター」(トーマス・カーター監督)から。
1つひとつのプレーを見る限り、俳優がバスケットを覚えたのではなく、
バスケットの選手が台詞を覚え俳優になった、といった方が正確だろう。
さて、気になる一言は、高校のバスケットチームコーチを引き受けた、
主人公・ケン・カーターの行動の支えとなっている考え方だ。
勉強もろくにせず、かといってプロの選手になるほど上手くない、
大学進学率より、刑務所へ送られる率の方が高い中途半端な高校生たち。
その現状と課題に目を向け、チームメンバーの将来を考えての発言、
「私が嫌いなのは、君たちを落ちこぼれにするシステムだ」
つい目先の成果に気をとられがちだが、それでは問題解決にならない。
このシステムを変えようと、選手たちに勉強することを強要し、
学業成績を伸ばすことで、大学へ進学させるシステムの確立に
孤軍奮闘する展開に、胸が熱くなり拍手を送った。
そして、とうとう既存の考え方を変えることに成功するが、
私は、彼の行動に反対した人たち、足を引っぱろうとした人たちの
その後の反応が気になって仕方がなかった。
大所高所から、物事を考える視点、参考になったなぁ。
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