劇場公開日 2005年8月6日

コーチ・カーター : 映画評論・批評

2005年8月2日更新

2005年8月6日よりテアトルタイムズスクエアほかにてロードショー

熱血鬼コーチをサミュエル・L・ジャクソンが見事に体現

荒廃した高校のバスケットボール部に熱き信念を秘めた鬼コーチが赴任し、チームは快進撃を開始する……。前半はよくあるスポ根ドラマだが、実話を元にした本作は、中盤から予想外の展開を見せ、俄然おもしろくなる。

じつはコーチを引き受けたカーターは、部員たちに、バスケで奨学金を得ての大学進学に必要な学業成績を修めることを約束させた。そこで、一部部員の成績の低さを知ったカーターは、リーグ戦の途中であるにもかかわらず、体育館を封鎖。成績を上げるまで練習も試合も禁じてしまい、街を騒然とさせるのだ。

親や教師、そしてほとんどの市民は、貧困と犯罪が蔓延する街で生きる子供たちから、唯一の晴れ舞台であるバスケの試合を奪うなと猛反発。対するカーターは、今が彼らの人生の頂点ではなく、勉強すれば大学に進学でき、将来に無限の可能性が広がると譲らない。

果たしてカーターの思いは、今がすべての生徒たちに届くのか? それぞれ家庭や私生活に問題を抱えた生徒を若手俳優たちが生き生きと好演。彼らを深い愛情で毅然と導くカーターを、サミュエル・L・ジャクソンが見事に体現し、胸を打つ。最後は、生徒たちが未来へと羽ばたく熾烈な試合に興奮し、かつてない熱き感動に包まれる。

(山口直樹)

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