劇場公開日 2005年8月6日

「戦術は七人の姉と元カノの名前」コーチ・カーター かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0戦術は七人の姉と元カノの名前

2023年11月24日
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実話をベースにした物語。
主演はサミュエル・L・ジャクソン。

【ストーリー】
カリフォルニア州リッチモンド高校、弱小バスケットボール部オイラーズに新しいコーチがやってくる。
彼の名はケン・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)。
高校でのアシスト記録を持つ、元全米代表の同校のレジェンド。
歓迎されると思いきや、よそ者を好まぬ彼らは高圧的なカーターに反発し、プライドばかり高い主力選手が二人も離れてしまう。
だがスタミナと走力を重視したハードなトレーニングが効果を上げ、チームは勝利を重ねてゆく。
カーターを優秀なコーチと認めて有力選手たちも頭を下げてもどり、オイラーズはリッチモンド高校史上最高記録となる13連勝を重ねるが、教師たちの成績優遇が発覚、怒ったカーターはコートを閉鎖する。
だがその事でチームを救えと言わんばかりに反発する保護者たちと、カーターは対立。
メディアも巻き込んで、ついには教育委員会の採決にまで事態は悪化してしまうのだった。

実話ベースですが、サミュエル・L・ジャクソン演じるケン・カーターの、とにかく融通の利かなさがすごい。
自分の指示は絶対、遅刻したらシャトルラン、口ごたえしたら腕立て伏せ、きたない言葉を吐いても腕立て伏せ&シャトルラン。殺しにかかってます。
試合にはシャツにネクタイ、ジャケットを着てくる事、これをやぶった者は試合に出さない。
試合では相手を侮辱する行為は許さない、トラッシュトーク(マッチアップ相手にF系単語で揺さぶりをかける)などもってのほか。
授業は全て出席、教室の最前列に座れ、成績は平均2.3以上取れ、これらの条件をクリアしなければ試合に出さない。
などなど数え上げればキリがありません。

舞台のリッチモンドという町は、有色人種が集う貧困地域で、羽振りがいいのはマフィアだけ。
そこで生まれ育ったカーターは、バスケで彼らをそこから救い出したいと奮闘します。
さて、アメリカの高校や大学バスケといえば、NBA以上の熱狂的ファンがいると言われてまして、オールスターゲーム(マクドナルド・オールアメリカン)まであるほど。
プレイヤーランキングもあって、彼らはその時点でスター選手なのです。
高校野球の甲子園を想像してもらえれば、その立ち位置も分かるかと。
当然調子に乗りますし、反抗期まっさかりでコーチの言うことも聞かない。
それでチヤホヤされて、道を踏み外す、と。
スパイク・リー監督が『ラストゲーム』で言いたかった事を、こちらの方が上手く表現してます。

さて、肝心のプレーシーンですが、これは言う事ないです。
ガードプレイヤーたちは手に吸い付くようなドリブルハンドリングを見せてくれますし、ドライブやカットイン、スクリーンプレイ、パスから見事なスリーPシュート、両手ダンクや空中のパスをそのままねじ込むアリウープまで、ちゃんと攻防の中ワンカットで見せてくれます。
サンアントニオ・スパーズファンの主演サミュエルも「スポーツ映画でのいい加減なプレーシーンには我慢ならない」とハードルの高い辛辣な立場表明。
アメリカですらそこが雑な映画は多いのですが、この映画はかなりガチですのでご安心を。

映像特典での見どころですが、ケン・カーターのまわりに戦術の名前となった姉ほかの家族たちがずらっと並ぶインタビューがあるのですが、もうね、カーターふくめみんな体格すごい。
アメリカのドキュメンタリーを見た人にはわかると思いますけど、向こうの人本当にすごい太ましいんですね。
「やだ、カーターコーチのお姉さんたち、大きい……\\\\」
と思わず頬をピンクに染めてしまう、とても見応えのある特典となっております。
みんなフィジカルもメンタルも強そうで、名づけて"大相撲・カーター部屋"八卦よし。
もう本当、あれだけは見ておかないと死ねないなと。

押しても引いても動かないヘビー級ガンコ者のカーターさん、そのルーツをぜひとも一目どうぞ。

かせさん
Elton Shinさんのコメント
2023年11月30日

すごい深いところまで観てられますね
観た先から忘れていく自分とは大違いです
深掘りのおかげで色々思い出しました
改めて感謝です

Elton Shin
kossyさんのコメント
2023年11月26日

怠けたい心かぁ・・・今の自分にピッタリです。
仕事したくない!

kossy
NOBUさんのコメント
2023年11月25日

今晩は
 コメント、ありがとうございます。
 文武両道の大切さを生徒にキチンと伝えるコーチは正しいですね。では。

NOBU