「おいらはオイラーズ」コーチ・カーター kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
おいらはオイラーズ
顔見せで生徒をSir付けで呼ぶカーター。しかし腕力あるという熱血コーチぶり。生徒たちはいきなりの“自殺ダッシュ”によって体もへとへとだ。女の子に妊娠させたケニヨンとか、いきなり出て行ったクルーズとか、おどけたワームやライル。契約書を交わさせた直後、カーターの息子ダミアン(ロバート・リチャード)が父親の元で頑張りたいと転校してくる・・・
クルーズはヤクの売人の手伝いもしていたが、なんとかオイラーズに戻りたくなった。戻りたければ過酷な自殺ダッシュと腕立てふせをこなさなければならない。しかし驚異的な回数をこなせなかったクルーズにチームが手助けを・・・といきなり前半で泣いてしまった。
常勝チームとして生まれ変わったオイラーズ。ベイヒル大会にも招待されいきなり優勝をかっさらってしまう。ここまでは完全に典型的なスポコンもの。しかしまだ前半が終わったにすぎない。最初に交わした契約書の内容は学業でも普通以上の成績を取ること。授業には休まず一番前に座るという点があったのだ。
チームプレイは勉強でも同じ、助け合わなければならない。何しろ卒業率50%の高校。若者で3人に1人は刑務所に行くと言う統計が現実的だ。体育館を閉鎖して図書館に缶詰にするも父兄や教師たちからの猛烈な反対・・・ロックアウトを解くなら辞任するとまでタンカを切るが、一旦解除すると体育館の中で勉強しているオイラーズ。珍しくも印象的なシーンだ。
ディライラとかキャンディ、リンダとか女性名のサイン。勉強で活躍した後も快進撃が続く。そして念願の州大会へ・・・初戦でいきなり強豪チームと当たり惜しくも敗退するが、彼らが得たモノは勝利ではなく大学進学。勝つことだけがスポーツの真髄ではないことを教えてくれる。