チアーズ! : 映画評論・批評
2001年8月1日更新
2017年2月21日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにてロードショー
ナイス脚本! 健闘ヒロイン! ちょっと踊りたくなりました
チアリーディングを素材に持ってきた段階で、何に勝ったかと聞かれると困りますが、この映画は勝ったも同然だったんだろう。青春学園ものにもなるし、スポ根ドラマにもなる。ということは、そこに友情もロマンスも絡ませ放題、ライバルとの火花散るバトルも見せられるし、笑わせどころに困ることもない、意外や激しく華麗で見ごたえあるチアリーディングはそのまま見せ場にもできるしと、もういいことづくめなのである。
しかしそれだけの豊富な素材だからこそ、手際よくセンスよく見せなければならないわけで、その点この映画が文句なしの出来栄えなのは、交通整理の行き届いたナイスな脚本と、ヒロインの力に尽きるであろう。
キルステン・ダンストは、「わたしが美しくなった100の秘密」という美人コンテストの舞台裏を描いたコメディでも主演。どこか本作と似てなくもないわけだが、コンテストものにおける「可愛くてナイスバディなんだけど、どこか垢抜けない田舎者っぽさが観客の反感を買わない健気なヒロイン」の座を、他に誰と競りあったんだと聞かれると困りますが、独占した感ありである。
観終わると素直に痛快&爽快気分で、おじさんもちょっと踊りたくなりました。
(松久淳)