キャットウーマン : 映画評論・批評
2004年11月1日更新
2004年11月3日より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー
物語は結構イイ線行っているのに…
92年の「バットマン・リターンズ」でミシェル・ファイファーが演じた、つぎはぎスーツで人気を博したキャットウーマンのスピンオフ版。1940年代からDCコミックスでおなじみのヒロインがセリーナ・カイルからペーシェント・フィリップスへ、舞台もゴッサムシティからレイクシティへ変更。「生まれ変わったキャットウーマン」てな趣だ!?
オスカー受賞後、ボンドガールやマーベルヒロイン(「X-MEN2」のストーム)などフランチャイズ映画へ出ずっぱりなハル・ベリー(他の候補はアシュレイ・ジャッドやニコール・キッドマンだった)が褐色な肌のくびれを強調し、セクシーなキャットウーマンのスーツを着こなす。けれど、彼女特有のムチムチしたヒップラインが逆に、重心の低さを強調している(脚が短く見える!)。またピトフ監督(「ヴィドック」)がお得意のCGでスピーディーなアクションを魅せるが、ゲームのモーションにしか見えないのだ。
物語は結構イイ線を行っているのに……。シャロン・ストーンやランベール・ウィルソン(「マトリックス」のメロビンジアン役)がセルフパロディを駆使して悪役に扮しているのが意外におかしいが、恋人の刑事役ベンジャミン・ブラットがミスキャストに思える。
(サトウムツオ)