「【”忘れ難き、ブロークバックの羊追いと、契りの日々”美しきブロークバックの自然と、若き名優たちの姿が印象的な作品。随所で流れるアコースティックミュージックの音色も作品の趣を高めている作品でもある。】」ブロークバック・マウンテン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”忘れ難き、ブロークバックの羊追いと、契りの日々”美しきブロークバックの自然と、若き名優たちの姿が印象的な作品。随所で流れるアコースティックミュージックの音色も作品の趣を高めている作品でもある。】
ー 1963年、イニス(故、ヒース・レジャー)と、ジャック(ジェイク・ギレンホール)は、雇われ羊追いとして、一夏をブロークバックの山々で過ごす。
豊かなだが、厳しき自然の中、二人は徐々に打ち解け、家族の話をし、嵐の晩、テントでイニスはジャックの求めに応じる・・。ー
◆感想<Caution !内容に触れています。>
・彼らの行為は世間からは認められない年代が舞台。
元々、ゲイ気質のあったジャックと、幼き頃、父親のゲイのカウボーイに行った非道な行為を見た、イニスは性的嗜好が違っている。
だが、誰もいない、二人しかいない大自然が、彼らを奔放にさせたのだろう。
・一度は別れた二人は、夫々、家庭を持つ。
イニスは、婚約者のアルマ(ミシェル・ウィリアムズ:ご存じの通り、今作で出会ったヒース・レジャーと婚約し、娘をもうけている。)と結婚し、二人の娘の父親に。
ジャックも、ロデオ大会で知り合ったラリーン(アン・ハサウェイ)と結婚する。但し、彼は金持ちのラリーンの父親とは、長年そりが合わない・・。
- 時代的に、二人はノーマルな生活を送る事を決意したのだ。
だが、ある日、4年ぶりにイニスの元にジャックがやって来て・・。
建物の陰で激しく口づけを交わす二人の姿を見てしまったアルマの驚愕の表情。
演技派女優、ミシェル・ウィリアムズのこの後の演技には魅入られる。
愛する夫が、まさかの同性愛者だったことに苦悩する姿。-
・アルマは、イニスが自分より、ジャックを愛していると知り、性交を拒否し、離婚。
その後、彼女がイニスに詰め寄る時の言葉が印象的である。
”貴方は、いつも彼と魚釣りに行っていた。けれど、一度も魚を持ち帰らなかった・・。”
・ジャックも、家庭を持つも、満たされない生活を送っている。メキシコに行って、男漁りをしたり、そりの合わない尊大な態度を取るラリーンの父親に対する怒り。
- ここは、分かり易く、理解できる。保守的なラリーンの父親は、ジャックとは合わないよな。-
・ある日、イニスがジャックに出したハガキが”本人死亡”のサインと共に、送り返されてくる。
驚いたイニスに、冷静な態度でアルマは”タイヤが破裂して事故死した・・”と述べるが、画面上ででは、ジャックが3人の男から激しい暴行を受けているシーンが映される。
ー 彼は、殺されたのだろう・・。ラリーンの父親に。ー
・ジャックは、イニスに何度も”一所に農場を持とう”と誘っていた。イニスが、ジャックの両親を訪ねるシーンも印象的である。
父親は、ジャックの性癖を知っていたようであるが、母親はジャックの部屋を見てくれ、とイニスに話しかける。
飾り気のない部屋のクローゼットの掛かっていた、昔、ブロークバックマウンテンに置き忘れたと思っていたイニスの上着とその上に掛けられていたジャックがイニスに殴られた血の付いたシャツ。
- 名シーンだと思う。ジャックのイニスへの深い想いが一発で分かるからだ。イニスが愛おし気に、ジャックのシャツの残り香を嗅ぐ姿・・。ー
<人が人を深く愛するという事を、雄大な自然の風景を背景に描き出した前半と、市井の人として普通人として生きようとする二人の苦悩する姿の後半の対比も効果的に、見事に描き出した作品。
それにしても、ジェイク・ギレンホールもミシェル・ウィリアムズもアン・ハサウェイも今や、ハリウッドを代表するスターである。
後半の、哀愁を帯びたイニスを演じるヒース・レジャーの姿を見ると、彼の早逝が、残念でならない想いを抱いた作品でもある。>
確かにです。ダークナイトのヒース・レジャーしか私は知りませんでした。今回この映画を見ることができてよかった。でももういない、というのがとても急に悲しくなりました。
NOBUさんからコメントいただいて感動です。私はあまり詳しくない世界(音楽、カウボーイなどなど)です。でも「パワー・オブ・ザ・ドック」を見て興奮というか感動です。している自分を見て「ブロークバック」見てないの?と友達に言われてみました。どんだけ自分が相変わらず無知だったかとがっかりしました。本当に見て良かった映画です。彼の「ダークナイト」は見たんですがそのまえにこんな・・・と思いました。