ブラック・ダイヤモンド : 映画評論・批評
2003年4月1日更新
2003年3月29日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー
ほとんど日活アクションの感覚
「ロミオ・マスト・ダイ」「DENGEKI/電撃」に続く「マトリックス」のジョエル・シルバー製作、バートコウィアク監督の“ヒップホップ・カンフー”3部作の完結編という触れ込みだけど、脇役がほぼ固定で、2作目の主演はスティーブン・セガールだったにしても、それはスケジュールの都合で旭が裕次郎に替わった風で、見ているこっちにとっては、ほとんど日活アクションの感覚。つまり、プログラム・ピクチャーなわけだ。
今回は、邦題になった“ブラック・ダイアモンド”が<お宝>。これをめぐり、ジェット・リー扮する台湾から来た刑事と、3作連続出演のDMX扮する窃盗団のリーダーが手を組むバディ・ムービー。ワケアリの黒幕は「ジェヴォーダンの獣」のマーク・ダカスコスで「SPY N」に続き、顔に似合わず極悪非道。その彼とジェット・リーの武術家同士のクライマックス対決に期待が湧くが、これは肩すかし。ダカスコス君、KNBの特殊メイクで哀れな最期を遂げる。
内容はお約束通り。文句を言っても仕方ないけど、ケリー・フーの悪女ぶりと、ラスト・クレジットのアーノルド&アンダーソンの業界ネタ・トークが爆笑もので楽しめる。
(高橋良平)