劇場公開日 2006年10月14日

「ヒラリー・スワンク似てます??」ブラック・ダリア バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ヒラリー・スワンク似てます??

2020年2月12日
PCから投稿

今作は署内でミスター・ファイア、ミスター・アイスと呼ばれるほどの名刑事コンビで親友でもあったリーとバッキーが「ブラック・ダリア事件」に関わったことによって、翻弄され、次第に中毒かのように事件に執着していくことで、周りも巻き込んでいくというサスペンス・ノワール。

もともと担当していた事件をほったらかしにして。「ブラック・ダリア事件」にのめり込み過ぎているリーに不信感を抱いていくバッキーだが、自分も知らないうちにブラック・ダリアの影が付きまとうようになってしまうという、心情の変化を語らずにカメラワークや演出で自然にみせていくという手法は、正に天才デ・パルマと言うべきだろう。

「ブラック・ダリア事件」自体が未解決事件であるため、真実に向かうことよりも周りのドラマ性を強調した作風であるとは思っていたが、今作では「ブラック・ダリア事件」については決着をつけている。
伏線の張り方も実に巧妙であり、中でもクラシック映画好きであれば、数々の映画の引用の仕方に思わず息をのむであろう。

ブライアン・デ・パルマの芸術的カメラワークや手法によって、アートのようなシーンの数々が印象を残す作品であるが、ケイを演じるスカーレット・ヨハンソンの存在はこの映画で欠かすことができない。スカーレットのもつクラシカルな雰囲気は今作の1940年代という時代背景や世界観にしっかりと溶け込んでおり、どのシーンも印象深いものとしている。

ただ、劇中でヒラリー・スワンク演じるマデリンは、「ブラック・ダリア」ことエリザベス・ショートに似ているとされているが…衣装が黒いことぐらいしか、似ていないと思うのは私だけだろうか…当時からそこがどうしても引っかかっていた。

バフィー吉川(Buffys Movie)