劇場公開日 2002年4月27日

「入り込まずには要られない」バーバー keitaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5入り込まずには要られない

2012年5月18日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

幸せ

DVDの音声解説でもコーエン兄弟が語るように彼らの作品は頭を空にして観るべきなのかもしれない。 とは言っても、細部まで作り込まれた映像や40年代フィルム・ノワールに捧げられたオマージュを目の当たりにして深く入り込まずには要られない。

映画芸術の世界では昔から映像に組み込まれる比喩表現によって多くを語って来た。そして、コーエン兄弟はこうした比喩表現の巧みさに於いてトップクラスだ。
映画だけでなくこの世界で生産されるもの全ては"人間に"よって"人間"の為に作られる。
だから、映画に於いても例えSFでも、ミステリーでも、壮大なファンタジーでも、突き詰めれば向かう先は"人間"や"人生"の本質であると思う。
そして、彼らの作品も例外ではなく"如何に人間を描くか"、"どんな人生を表現するか"であり、その表現力が素晴らしいのである。

keita