オータム・イン・ニューヨーク : 映画評論・批評
2000年9月15日更新
2000年9月23日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
ウィノナ&ギアの王道ラブストーリー
その美貌だけでなく、作品選びのセンスの良さこそウィノナ・ライダーのウィノナ・ライダーたるポイントだったはず。なのに、(監督がジョアン・チェンだなんてどうでもいいくらい)こんなありきたりなラブストーリー、こんな直球な難病メロドラマ、こんなリチャード・ギアな映画に出てしまっていいんでしょうか。
いいんですね、これが。
例が悪くて恐縮ですが、ジュリエット・ビノシュがいちばんきれいだったのは、どうでもいいラブコメ「カウチ・イン・ニューヨーク」だったのと同じような意味で、作家性だのこだわりだのをさっぱり取り払って、ごく普通の映画に出た瞬間にこそ、その女優は普通に可愛らしく見えたりするんですが (これは映画に限らず実生活にも応用が効く話です)、本作はまさにそのとおり。このウィノナは可愛すぎ。甘酸っぱすぎ。
憧れた男からの電話で声を出さないようにガッツポーズするとか、デート中に男の時計を取り上げちゃうとか、そんなベタもベタなことをやっているウィノナのなんと可憐なことよ。惚れ直しましたね。オレが惚れてるの知らないと思いますが。
(松久淳)