劇場公開日 2003年11月8日

阿修羅のごとく : 映画評論・批評

2003年11月5日更新

2003年11月8日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー

的を射まくったセリフがグサリ、グサリ

まず、豪華キャストにご注目。大竹しのぶ黒木瞳深津絵里深田恭子に、大竹に夫を寝取られた料亭の女将役に桃井かおりも登場し、日本の芸能界を代表する女優達が集まった。私生活でも絶対に親しくなさそうなメンバー(笑)が、まさに“阿修羅”のごとく愛憎劇を繰り広げるのだ。スクリーンからひしひしと伝わる緊張感がたまらない。

彼女たちの緊張感をさらに高めているのが、向田邦子の原作だ。79年に放送されたテレビドラマのために書かれた脚本を元に、「それから」の筒井ともみが今風にアレンジ。ドラマ版では夫の浮気が発覚し、モノに当たる母(ドラマ版は大路三千緒)も描き、わりに感情を表に出していたが、映画版は控え目。その分、目線や仕草で微妙な心の揺れを表現。尚更、嫌味たっぷり、的を射まくったセリフの応酬が物語上だけでなく、見ているこちらの胸にもグサリ、グサリと効果的に効いてくる。女性のための、人生の教訓がいっぱい。最も己を振り返ったのはこのセリフ。「女の踵を見ると、殿方にご無沙汰しているか判るんだから」(by大竹演じる綱子)。さぁ、女性の皆さん、かかとぷるぷるシートを買いに参りましょう。

(中山治美)

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