「直腸とサナダムシ」アレックス 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
直腸とサナダムシ
ギャスパー・ノエは少し変な監督って認識程度、事前情報も無しで初公開時にMOVIX仙台にて初鑑賞、それ以来ぶりの鑑賞で今思えばシネコンで上映された事実が危険すぎる!?
唐突に始まるエンディングロールが逆回転から動いて気付いたら斜めに、徐々に変な感覚に陥りながら何が起きているのか困惑と興奮でテンションが不安と共に高くなり、非現実の世界観が誰しもの現実に降り掛かる可能性は十分にあり得る地獄をスクリーンに映し込む、そこからの幸せでもある日常を描く演出描写が正に残酷に感じられてしまう、バッドエンドな結末を知っている観客がまだ何も知らない三人の無邪気な姿を傍観するしかない訳で、映画を観る楽しみが本作の監督であるギャスパー・ノエによって奪われてしまう。
観る側を煽るようなカメラワークと過剰にも取れる暴力描写が目立つ中にギャスパー・ノエの美的センスが一際目を引く映像のLookが素晴らしく、アレックスと言う名前と胎児のポスターからキューブリックの「2001年宇宙の旅」と「時計じかけのオレンジ」が絡んでいるようで、これはギャスパー・ノエの戦線布告なのか!?
コメントする