劇場公開日 2003年8月10日

「命があることの大切さとは、ノンフィクション!。」名もなきアフリカの地で ころんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5命があることの大切さとは、ノンフィクション!。

2022年12月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最初はお金を持ち出せた、次は資産を持ち出すときは課税(お金を支払う)、次は電車に乗れない、その次は国外へ出れない。

ドイツ国内では住むところの指定、服にはダビデのワッペンを付ける。
ドイツのユダヤ人は、ヒトラー政権時に何年もかけて、ゆっくりと、行動を制限されていきました。

主人公の女の子レギーナの父は(確か弁護士だったかと)職業柄なのか?、先見の明がありました。
国外へ出れるうちに、国外へ出ることを決めます。

ところが、奥さんは面白くありません、手に持てる範囲のものを持って船に乗り、アフリカへ渡ります。だんだんと出国できる国も制限がかかってきたと、記憶しています。

行先は、アフリカしか無かったのです。

文句を言う奥さんに言うセリフが非常に印象的でした。
「命があるじゃないか!!!」このセリフ、今もずっしりと、心に残っているんですよね。

奥さんの両親から収容所行が決まった手紙が届いたとき。
「僕の両親はどこで死んだかも分からないが、(奥さんの)きみの両親は分かっているだけいい」こんなかんじのセリフを言うのですが、このセリフも心に残っています。

どちらも命に掛かっている言葉です。
命がある大切さ、
自分の家族がどこで命を落としたかも分からない辛さ。

この2つのセリフが、映画のテーマだと思います。
ノンフィクションだけに、忘れられません。

私が住んでいる地域は東日本大震災の被災地ど真ん中で、うちも徒歩8分のところまで津波がきました。被害は少ない地域でしたが、もう少し先のところでは今も多くの人が、家族の遺体を探しています。その気持ちを考えると、やはり、切なくなります。

レギーナのお父さんも、どれだけ、切なかったか。
お母さんも、両親の収容所行の手紙を読んだとき、どんなに苦しかったことか。

私がこの映画を見たとき、主人公の女の子のレギーナ(本名は違うかも)は高齢で存命でした。
物書の仕事についたレギーナ自身が原作を書いています。
ちなみに、戦場のピアニストも本人が原作を書いています。

本人が書いたので、特別なエピソードなどなくとも、どこか心に響くものがあります。

当時は終電で帰る日もあったりして、仕事ばかりの毎日だったな。
戦場のピアニストと、どっちを先に見たか覚えていないけど。
どちらも映画館で見れてよかったです。

仕事の後輩に良さそうなのがある、と誘われて、一緒に映画館で見ました。
映画見る前に、ポスターの女の子が可愛い~と、思った記憶があります。

なんてこともない、アフリカに避難した、平凡な家族の話です。
ですが、背景にはユダヤ人迫害、戦争、などがあります。

アフリカの風景に癒されます。
女の子が可愛いです。
夫婦や家族のちょっとした?トラブルなどもあります。

ごく普通のお話で、エンタメ的なエピソードは期待できませんが、心に響きます。
なんてこともない、本当に大したこともない、ラストがすごく好きです!。
幸せってこれだよな~と、思いました。

将来子供と見ようと思い、DVDも買いました。
そのうち、ゆっくりと見たいです。

残酷な描写はありません。
理解ができる年齢になったら、子供と一緒に見たいです。

面白おかしい映画ではありません。
ですが、内容いいので、ぜひ見てほしいです。

ころん