劇場公開日 1984年12月2日

「マシュマロマン!!!」ゴーストバスターズ(1984) とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0マシュマロマン!!!

2024年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

笑える

楽しい

単純

SF設定で難しそうなことを言っているのだが、「全部嘘さ!」と言いたくなってしまうのだけれど、なんか許してしまえるというか、それは了承済みのばかばかしさ((笑))。

如何にもゴーストらしさ満開の図書館の婦人から、何のキャラクター?というようなお化け、この映画のシンボルまで。キャラクターの設定勝!
 怖くて、不気味と言うだけでなく、スライムを吹きかけられるという、何気ない不愉快さをまき散らすゴーストたち。
 それを掃除機のような装置で捕獲!!!
 1973年の『エクソシスト』とかの、VS オカルトでは壮絶な戦いが定番だったのに、この映画ではなんと軽いことか。発想の勝利!
 「はぁ~?」と言いながらも、(笑)、いろいろなものを破壊しつくすダメンズぶりにハラハラしながら(笑)。
 しかも、主要人物はさえない失職男3人組!マッチョでもなし、聖職者の威厳もなし。スペングラー博士は知的に見えるが、オタク?ベンクマン博士はナンパばかり考えている詐欺師のようなうさん臭さ。スタンツ博士は、ポールに嬉々として喜ぶ大人子ども。それぞれ最初は何気に腰がひけているのに、数をこなすうちに慣れてくる(笑)。

脚本がエイクロイド氏とライミス氏。即興劇団のコメディ集団「セカンド・シティ」つながりの二人。筋を理論的に詰めるような脚本ではない。

本当は、ベンクマン博士はベルーシ氏が演じるはずだったそう。だが、ベルーシ氏が急逝されたので、マーレイ氏が演じられたとか。とはいえ、エイクロイド氏もライミス氏も「セカンド・シティ」つながり。息の合い方はお手の物。後から入社してくるゼドモア演じるハドソン氏はコメディの素養がないから、この3人に対してちょっと異質?それでも、世界観を外していないところはすごい。

『ブルースブラザーズ』のように、大まかな筋と細かい設定は決まっているが、あとは見栄えのするシーンをつないでいったような、余裕のある作り(間)が好き。要所要所にネタを仕込んでくる。

こんなにナンパネタが入っていたっけ?とちょっとびっくりしたが、この時代の映画では外せないのだろう。
 起:最初はうまくいかないけれど、承:やがて増員するほどに軌道に乗ってくる。転:だが、そこに横やりが入り、さらなる展開へ。結:ラストに向かうという、オーソドックスな作りなのだが、そこに仕込まれているネタで飽きさせない。

絶対忘れられないキャッチーな主題歌とゴーストのキャラクターが独り歩きしている感の映画だが、やはり、元の映画があってこそ、記憶に残るものになっている。

とはいえ、ベルーシ氏がベンクマン博士を演じていらしたら、もっとシニカルで、全体的に映画に別のリズムが生まれていただろうなと思い、心残り。
 エイクロイド氏演じるレイがリーダーとされているのに、マーレイ氏演じるベンクマン博士のエピソードが断然多い。エイクロイド氏とライミス氏は脚本担当でもあるので、引っ込んだのかな?それとも、エイクロイド氏がコンビだったベルーシ氏とではないので、勝手が違ってマーレイ氏とあまり絡まなかったのかな?とか、いろいろと考えてしまう。

そして、『ブルースブラザーズ』でエイクロイド氏を知った身には、エイクロイド氏が『ブルースブラザーズ』よりふっくらしていることにびっくり、甘いマスクにもびっくり。ちょっと幼めに演じられたのだろうか。マシュマロマンにつながるように。
 かつ、『ブルースブラザーズ』で虜になった、彼(とベルーシ氏)のキレッキレのダンス・動きが見られず、低音ボイスの歌も堪能できず。物足りない。
 ちょっと評価を下げてしまっています。

とみいじょん