「SFコメディの金字塔」ゴーストバスターズ(1984) マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
SFコメディの金字塔
80年代を代表する映像クリエーターのリチャード・エドランドが、初期の「スター・ウォーズ」3部作のあとILMを離れ起ち上げた視覚効果スタジオ〈ボス・フィルム〉が初めて参加して話題になった作品。
いま観ても、よくできたSFXには違いないが、食い意地の張った緑色のお化けアグリー・リトル・スパッドやゴーザの化身マシュマロマンといった人気キャラクターの存在も大きい。
また、音を消してみれば分かるが、エルマー・バーンスタインのオーケストラとレイ・パーカーJr.のノリのいいサウンドにかなり助けられている。
捕まえていたゴースト達がニューヨークの街中に解き放たれたシーンで特に顕著だ。音を消していても、その場面での音楽が蘇る。音楽がなければアニメーションによるただの光の筋に過ぎない。
映像と主題曲が注目された作品だが、成功の鍵はなんといっても“お化け退治”をSFコメディに仕上げた脚本にある。1984年の全米興収1位、当時の歴代7位の記録を持つ。
いい加減でお調子者のベンクマン(ビル・マーレイ)、おとぼけのスタンツ(ダン・エイクロイド)、理論派でクソマジメなスペンクラー(ハロルド・ライミス)という、いずれ劣らぬ怪しげな博士たちが最高だ。
ニューヨークを騒がせたのはお化けなのか、はたまたこの3人なのか。そこが判然としないところに、この映画の面白さがある。
シガニー・ウィーバーも頑張っているが、むしろゴースト・バスターズの留守番兼秘書ジャニーンのアニー・ポッツと、悪役になる環境保護局のペックを演じたウィリアム・アザートンが印象に残る。
ベンクマンに「何百万という有権者の命を救うことになる」と諭されて、NY市長レニーのニンマリする顔も忘れられない。演じたのはデヴィッド・マーギュリーズ。
いま観ても色褪せないSFコメディの金字塔。
なお、「ゴースト・バスターズ2」はTVのロードショーで1度観たきりです。「ゴースト・バスターズ3」(2012年公開予定)が楽しみです。