8人の女たちのレビュー・感想・評価
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【雪に閉ざされた大邸宅で起きた殺人事件を描いたサスペンス。予想の遥か上を行くミュージカルテイスト&コメディ要素を絡めた作品にフランソワ・オゾン監督が仕上げた女性の恐ろしさを絡めた作品でもある。】
■1950年代のフランスの田舎町。
クリスマスを祝うため大邸宅に家族が集まっていた。
だが、メイド・ルイーズ(エマニュエル・ベアール)が一家の主・マルセル(可哀想に顔は映されない。明らかにオゾン監督の意図であろう。)の寝室に朝食を持っていくと、マルセルは背中を刺されて死んでいた。
警察を呼ぼうにも電話線は切られ、外は大雪で車も動かせない。
◆感想
・設定自体から、本格サスペンスを期待するところを、フランソワ・オゾン監督は軽やかに超えていく。
ー 何しろ、カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール、イザベル・ユペール、ファニー・アルダ達が、歌って踊るのである。
ビックリである。特に“イエケテナ変な眼鏡”姿のイザベル・ユペールがピアノを弾きながら歌うシーンは新鮮であったなあ。-
・8人のマルセルと関係する女達が疑心暗鬼になりながら、お互いの過去の罪を暴く姿の美しいのだが、醜い姿・・。
<あの真実のシーンは、マルセル自身の周りの女達の”醜い姿”に絶望した事なのだろうな。
そして、その彼に細工をする女性達の姿。
フランソワ・オゾン監督は自らクイアとは言っていないが、女性の醜さに焦点を当てた作品である。
それに応えた女優陣の演技も見事な作品である。>
妙な魅力
観たかった度○鑑賞後の満足度○ フランス版『Wの悲劇』…かな?いや『Mの悲劇』かな?
①フランスを代表する女優達が、各々秘密を抱えながらお互いの腹の中を探り会う女達の猿芝居を嬉々としてこれまた芝居している様が何とも観ていて楽しい。
②『うたかたの恋』(1936)の頃は世界一の美女と云われていたダニエル・ダリューがまだその美女の面影を残しているのにはビックリ。しかし、こんなに息長く女優を続けていることや、初めは大人しそうな老婦人と思いきや…と腹芸を見せる辺りは只の美人女優ではなかった証明。歌も一番上手くて昔のスターはやはり何でも出来たんだな、と感慨深い。
③そして、これまた60年代・70年代に世界一の美女と云われていたカトリーヌ・ドヌーブが8人の女達の要となる役を貫禄たっぷり(身体もお肉たっぷり)に快演。8人一人一人にミュージカル・シーンがあてがわれているが、彼女のパートが最も貫禄たっぷりでありながら最も妖艶であったのは流石に大女優。
④今やフランスを代表する大女優となったイザベル・ユペールがここでも達者なコメディアンヌぶりを発揮。定番ながら、眼鏡をかけた冴えない女が妖艶な美女へと大変身する楽しみシーンがあります。
⑤エマニュエル・ベアールはタイプキャストで意外性はないが(それとも本作までは純情な役が多かった?)、ファニー・アルダンはカトリーヌ・ドヌーブに貫禄負けしていない。スケールの大きな女優さんだ。
⑥次女役のリュデビエーヌ・サニエは、少女少女していて、『スイミング・プール』や『真実』に出ていた同じ女優さんだとは思わなかった(どこかで見た印象はあったけど)。
⑦各キャラクターはそれほど深みはないが、名女優・大女優が演じることで役に深みが出て来るのががさすが。
それに各々に見せ場が設けられている。
⑧話自体は何てことないので、悪口や嫌み・当てこすりを言い合ったり口論したり罵りあったり、挙げ句の果てには髪を掴んでの大立ち回りの末に口づけするとか、フランスを代表する女優さん達の競演が“売り”、楽しむ…みたいな映画だけれども、やはり女って凄いな、怖いな、というエスプリはフランス映画ならでは。
其々一癖も二癖もある女達だけれども、“父親を本当に愛しているのは自分だけ””への愛という自己満足(若さ?)から、一芝居を打って女達の本性をさらけ出させた挙げ句、父親を絶望させて自殺させる次女が一番残酷だったかも。
追記:ロミー・シュナイダーの写真が出てきたときには、オゾン監督の映画愛を感じた。
また、ファニー・アルダンの役はエヴァ・ガードナーやリタ・ヘイワースへのオマージュだったとのこと。な・る・ほ・ど…
イザベル・ユペール
衣装と歌とダンスが可愛い
高校生の時に見て、今でも印象に残ってる作品。
可愛い衣装と歌とダンスが素敵だった。
フランスらしい?の衝撃的なストーリー展開に若干ひきつつ、好きなシーンだけ繰り返し見てた記憶。長女とメイドちゃんが好きだった。
今もう一度見たいけど、なかなか見る機会がない。
色合いは好き☆
差別用語バンバン出るし、なんかややこしい8人の女が大雪の中閉じ込められて揉めに揉める。最後まで目が離せなかったです。突然のミュージカル調(?)な歌が始まったり…。ラストも可愛そうでしかなかったです。ブラックコメディと言える感じ。
ダニエルダリューが、主演!
60歳以降のカトリーヌドヌーブが素敵だなぁと思い、彼女の出演作品を色々観て、この作品も配信で観た。名前が2番目?見終わってから確認すると、チャーミングでコミカルな祖母役が、何と、うたかたの恋のダニエルダリュー?美人薄命のイメージだったのに、、何て可愛いお洒落なお婆ちゃまになっておられたのか。。80代で歌って軽やかに踊って、Wikipediaで100歳で亡くなられたとの事。尊敬と憧れしか無い。無事これ名馬、という言葉を体現されたかのような80年の現役生活。凄いなぁ。
ドヌーブも少し太って、でも美しい。日本では松坂慶子さんが、若い時よりは太られたせいか皺も無く美しい。話が横に逸れたが、8人の出演女優が一人ずつ歌って踊り、とても楽しめる。謎解きも少しクリスティーっぽく進んでゆく。そうして一人ずつ隠していた秘密が明らかになり唖然とする。いくつになっても恋に生きてる感じが、流石フランス映画だ。一人一人の抱えてる問題がかなり深刻なのだが、全体に軽くコミカルなトーンなので肩が凝らず鑑賞できた。舞台を観たかのような印象を持ったのだが、コロナ禍で生の舞台、ミュージカルを長く観ていない身としては、それもとても有難い様に感じた。
舞台劇のようで、カラフルな衣装♫
エマニュエル・ベアール
大雪のため閉ざされた屋敷。長女シュゾンが帰ってきて事件は始まる。最近では珍しいくらいの一族だけの密室劇。前半はそれぞれの8人の女が全て怪しく思え、嘘をつかぬようにと真実を話し出す展開となる。主人マルセルを中心にカミングアウトのオンパレード。途中、ミュージカル仕立てにする演出が殺人事件というおどろおどろしさを包み込み、金や愛人がらみの陰湿な裏側をコミカルに表現する。複雑な人間関係を考えるオゾンもすごいが、女優それぞれの演技で違和感なく華麗に見せてくれた。
オゾン監督にしては珍しくヌードもないが、エマニュエル・ベアールやヴィルジニー・ルドワイヤンが若いエロスを放出。全員が主役であるかのように女優たちが自己主張する様が面白いけど、ちょっと性格が似ているかな~と感じるところがマイナス。オゾン監督には、このようなシリアスにはならない遊び心を感じる映画をこれからもたまに作ってもらいたいものだ。
なんてこった
女性が8人も寄れば…
悪女総出演!
⑧人の女に囲まれた男の苦悩
ダニエル=ダリュー
カトリーヌ=ドヌーヴ
イザベル=ユペール
エマニュエル=ベアール
うぉぉぉぉぉ!
(o≧∇≦)oo(≧∇≦o)
なんて豪華なんだ!
ダニエル=ダリューとカトリーヌ=ドヌーヴの親子役共演は私のベストムービー『ロシュフォールの恋人たち』を思わせてくれる。
フランソワ=オゾンありがとう。
元々この作品は舞台作品だったということもあり、映画も歌あり踊りありの舞台形式になってます。
フランス映画フリークには堪らない豪華キャストだけど、あまり興味ない人は寝てしまうかも(´Д`)
フランス語の響きも眠くなるし…
女性からしたらよくあることかもしれないけど、男性は想像以上に女性に苦しめられてるのかも(^^;
あえて男性の感想は求めたくない映画です。笑
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