「トミーリーだからこそ」メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
トミーリーだからこそ
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これはトミーリー監督・主演だからこそ成立した映画だと思う。
他の監督さん、キャスティングはちょっと思いつかない。
泣きたくなるほど贖いの物語であり、決別の物語でもあり、それでいて素っトボケた味がある。何よりもトミーリーがふとした瞬間に見せる身体のキレはまだまだいける感じで、おじいちゃん感が消えてる所が素晴らしい。
同じくメキシコ国境を舞台にした贖いの物語『すべての美しい馬』もトミーリー監督・主演で作り直してくれんかのう。『美しい馬』の主人公は16歳位の設定だが、彼なら出来そうな気がする(すみません。さすがに無理か…)。
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その他、彼の監督・主演作に『The Sunset Limited』(コーマック・マッカーシー脚本、サミュエル・L・ジャクソン共演)がある。『メルキアデス〜』の負のテーマを更にシビアに突きつめたような会話劇。
これもまたトミーリー監督・主演だからこそ成立した映像だった。
形而上的な会話が続く哲学ドラマだが、トミーリーの顔があまりにも現実的でオッサンで変なので、哲学な事を忘れてしまう。寓話と現実のブレンド具合がまことに丁度いい顔だなあと思った。
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