28日後...のレビュー・感想・評価
全84件中、1~20件目を表示
「もや」のかかった世界。
○作品全体
「もや」が印象的な作品だ。
ジムが病院で目覚めて無人のロンドンを歩いている間、世界がどうなってしまったのかわからないまま。この異常な街の風景が、そのまま世界が「もや」に包まれた状況を象徴する。
セリーナたちと出会ってからもその状況はほとんど変わらず、なぜ世界がこうなってしまったのか、そして救いはあるのかわからないまま。それを表徴するようにジムたちの手前には雨が伝う窓ガラスやモザイク調の窓が置かれる。ジムたちの前に立ちはだかる「もや」のようだ。これは終盤にジムと封鎖隊が戦うシーンで「もや」がかかる立場が逆転していて、ジムが封鎖隊に「もや」をかける側になっているのが面白かった。
封鎖隊の館を脱出して、丘の上で暮らす3人のシーンでは逆に明度が高い。それまでの「もや」が少し晴れたような印象で幕を閉じた。3人で過ごす空間が理想的に描かれているあたり、ひょっとすると「もや」の役割は世界にかかった「もや」ではなく、人々の不安を顕在化する役割だったのかもしれない。そしてその不安は感染者の血のように伝搬され、人を変える…感染者を殴り殺したり、同僚を鎖で結んだり、女を襲う…といったような。
イギリス国外はどうなっているのか、イギリスはどうなるのか、病原菌のワクチンは完成するのか。そういったマクロな部分に描写を割かなかったのは人々の不安の感情にカメラを寄せたかったから、なのかもしれない。
○カメラワークとか
・様々なレンズを使っていて、「揺らぐ世界」を演出していた。レンズを使った極端な歪みや明度、ぼかしはダニー・ボイルの持ち味の一つ。
・ビルが腹を刺されて気を失うところの空と地が反転し、「HELL」と書かれた緑の丘が見えるカットは、「正気でない人物が見ている景色」として不気味な感じが印象に残る。『トレイン・スポッティング』でラリった景色を描いたダニー・ボイルの腕が活かされてる、ような気がする。
・封鎖隊が作ったバリケードのところで館を逃げ出したビルと封鎖隊が衝突するシーン。上手側へ走る兵士に合わせてパンするカットで、車の前に隠れたビルをパンのスピードはそのままに映すのがかっこよかった。第三者の視点ではビルがいる、ということがわかるが、兵士はわからない。だからビルを無視したようなパンワークになる。ビルの心象に寄ったカメラにしないことで、本気で殺そうとしている印象付けにもなっていて面白かった。
○その他
・ビルの精神的な成長(順応?)が急な印象があった。ハンナたちが住むマンションの階段を登りきれないあたりまでは戸惑う主人公だったけど、そこからは妙に腰が座った登場人物になってしまったな、と思った。感染者の豹変とかけて、状況によって人は変わる…みたいな意味として受け取った。ストーリー的に見ればセリーナと役割を交代した、とも思えたけども。
あ~、オッペンハイマー
主役はオッペンハイマーの人なのかぁ。若っ!
ゾンビ映画だけど、ゾンビになった理由がバイオハザードなので、恐怖と言うのは無いけど、グロなシーンはそこそこ有る。
この映画、怖いのは結局人間だよ。って事なのかな?
後半の集団は本物の軍人って設定なのかな?その割にメンタル弱すぎだし、建物内にゾンビが入った時弱すぎ。
主役が連れて行かれた死体置き場は軍人が殺した死体なんかな?
色々と不明な点とかツッコミ所は有るけど、まぁそれなりに楽しめる。
ただ、画質が荒すぎるかな。
20年前に予見されていた未来!!
全力疾走ゾンビの生みの親
昨今のゾンビ映画や感染症のパニック映画といえば「あ〜」って前に倣え!の状態でゆっくり歩いてくるのではなく、「新感染」「哭声コクソン」など全力疾走で追いかけてくる、異常なまでの暴力的な化け物が多い。
これらの全力疾走パンデミック映画の先駆けとなるのが、この「28日後。。」
監督は「トレインスポッティング」や「スラムドックミリオネア」など取られているダニーボイル。
人間の極限状態を撮るのが上手い印象やけど、2002年から上手かったとは。
当時制作予算は8Mドルで挑み、興行収入は10倍の約80Mドルになるほど、評価を受け、続編などシリーズ化のきっかけとなった第1作目。
あらすじは・・・
研究所で猿に感染していた凶暴化になるウイルスが漏れてしまい、イギリス内で蔓延。28日後に病院で目を覚ました男性が、ゴーストタウンとなった街で恐怖におそわれる話。
冒頭、おそらくウイルス蔓延の原因となる研究所からのシーンから始まる。
結局いつも人間自身が引き起こしているじゃないかと絶望させられる。
そして、シーンは変わりゴーストタウンになり、街中の歩く主人公。今見ると、まるでコロナ禍の街中を見ているようだった。
(実際はロンドンの通りを早朝封鎖し、撮影したらしい。)
先駆けと言われているが、実は公開当時従来のゾンビ映画は墓から死者が蘇るのが普通だったため、高速で走り出すゾンビは受けられなかったらしい。
しかし、次第に受け入れられ、これが新常識となった。
そしてさらに革命的な新常識は、血を取り込んでしまうと感染してしまうというところ。
今までは噛まれたら感染するっていうのが一般的だったが、本作では感染者の血を目に入れるだけで感染してしまう。
(まぁ、今考えれば当たり前なんなけど)
感染者をとりあえず、殺せばいいわけではなく、返り血を目や口に入れないように注意するという描写も新鮮だった。
感染者から追いかけられて、極限状態の中でなんとか生きようとする人々。
生きようとはしているが、心半ばあきらめているものなど、当時から分かりやすい外的要因と、人間ドラマのせめぎ合い、助け合いが必要な時にこそ、強きものルールを従わせる場面が、まさに人間のエゴ。
「28日後」以降にも数多くの作品に関わり、どれも設定の面白さだけでなく、人間の極限を表すのが、なんとも魅力的である。
ラストのあえての爽やかさ。
気づいたどうかは判断できないのに、今度は見てくれた!という極限状態でも未来や希望に目を向けているのも意外にダニーボイル監督の作品性なのかもしれない!
昔の映画って感じです!
期待度○鑑賞後の満足度◎ ゾンビ映画の進化?…「ゾンビに襲われる→ゾンビになる」“恐ろしさ”から「ゾンビに噛まれる→即そいつ殺す」となる人間”の恐ろしさ”へ…
①「ゾンビに襲われる怖さ」「ゾンビに襲われた人間もゾンビになる怖恐ろしさ」は此れまでの映画で散々描かれてきたので今更同じことを繰り返してもただマンネリ。
そこで新しい趣向として「ゾンビに対抗する人間がゾンビ以上に恐ろしいものとなる」方を描くことに主軸をおいた感じ。
前半もまだはじめの部分で、今まで行動を共にしていたマークを感染したからといってセリナが情け容赦なくあっという間に肉切り包丁みたいなので叩き殺すところは、セリナが本作のヒロイン的な立ち位置なこともあり結構衝撃的。
感染したら凶暴化する前に殺してしまうというのは自分の身を守るだけでなく更なる被害食い止めるという意味からすれば理屈としてまことに正しいのではあるが、それを何のためらいもなくやってのけらるくらい人間は追い詰められれば冷血になれるということを改めて描いてなかなか印象的なシーンではある。
③度々挿入される無人のロンドンの映像はどうして撮ったのだろうと思うが(CGとは思えないけど)、全体として鑑賞前に想像していたよりお金をかけていないというか低予算ぽい。
それでゾンビ達がウジャウジャ湧いてきて人間を襲うモブシーンが少なくて人間中心のドラマにしたのかなと勘ぐれる。
④とにかく早くゾンビを登場させて本当に撮りたい(描きたい)物語世界を構築したかったのか、発端部分がかなりの手抜き。
これ程恐ろしいウィルスなのに素人の動物園愛護家達が易々と入れるなんて「セキュリティ、甘っ❗」とこの時点で少々白けた。
怖いって
観たことなかったこの映画。どこかゾンビランドっぽさもあり、ゾンビランドがオマージュしてる部分もあるのかなと。
ほんとに怖かった。
B級っぽさの中に、ちゃんと秀逸な脚本が眠ってる。
こういう系には珍しく無駄なシーンがいっさいなかったのが驚き。
調べてみると面白い制作の裏話が山程でてきて、なんかこういうの、いいなぁって思った。
主人公ジムの無双シーンで終始流れる場違いなクラシック音楽や、秒で突破されるバリケード、壁の薄いアパート、腐った卵も塩をかければ大丈夫やろ!の、逆グランメゾンシェフ…などなど、
短い中でいろいろ見どころがあるのがいい!
ゾンビ映画は妙なリアリティがあって怖いけどなんだか中毒性があるのでついつい見ちゃいます。
まぁ総じて怖かった!
今日の日付は6月28日。
狙って見たわけじゃないです笑
わーお笑
日本人もおんなじこと考えると思う
キリアン・マーフィーの出世作
「28年後」を観るための予習。製作された2002年当時のゾンビ系映画やドラマがどの程度拡がってたかは(あまり好きなジャンルではないので)知らないが、あのダニー・ボイルが監督だったのだから話題になったことだろう。研究所にどこかの動物保護の過激派が侵入したことにより「凶暴性」のウィルスが漏れてしまい物語は始まる。主人公はなんと「オッペンハイマー」のキリアン・マーフィーだった。あとで気づいたのだが出世作だったのでしょう。感染のメカニズム、感染者との戦い。行動を共にする仲間との出会いと別れ。軍に助けられたと思ったら彼らの目的は女を部下に与えることという鬼畜。それでも何とか希望がある終わり方だったが、。
次は「28週後」を観る。どう物語が進んでいくのだろう、、。
エンタメ性よりもドラマ性重視のゾンビもの。
ゾンビが全力疾走で追いかけてくるのは確かこの作品からだったと思うが、孤立無援感から始まり、悲壮的な絶望感を経て、希望を感じさせてくれるラストまで、とにかくドラマ性という点で過去の全てのゾンビものを凌駕するような重厚さで観る者を惹きつける。この時まだ無名に等しかったキリアン・マーフィの素晴らしい演技と存在感が物語を引っ張っている。
エンタメ性という点では、フレスナディージョ監督による続編『28週後…』の方に軍配が上がると個人的に思っているが、本作が無ければ次もなかったわけで…このジャンルがそもそも広く受け入れられることが難しいジャンルであることを踏まえつつも、ロメロ監督によるゾンビ映画を現代的にアップデートとしたという意味では、エポックメイキングな作品だったことには違いない。
さて、ボイル監督が返り咲いた三作目の出来栄えはどうだろうか?
観る順番が逆だった
なかなか面白かった
もう、20年以上前の作品なんですね。
2020年に、新型コロナウイルス感染症が、瞬く間に世界を席巻したのは記憶に新しいところですが、この作品は、それに遡ること18年。2002年に制作された作品(日本公開は2003年)。
コロナの時も、あっという間に全世界に広がって行ったのは周知のとおりですが、この作品でも狂暴化するウイルス?が、瞬く間に世界に広がっていったかのような描写がなされています。
続編になる、『28週後・・・』が2007年(日本では2008年)に公開され、更にその続編となる『28年後・・・』が今年公開予定になっています。楽しみ。
っていうか、感染を抑えられたのか???
28年後…の前作
彼岸島の元ネタ
続編に「28週後」があり、そして最近「28年後」という3作目が公開した。
名作として人気があるのは知っていたが見たことはなく、新作がでるということで見てみた。
いわゆるゾンビ映画のジャンルだと思うけど、映画に出てくるのは正確にはゾンビというわけではないのかな?
謎の感染症。
インフラも何も全て止まった世界で生き延びていくサバイバル。
ざらついた映像なのは仕様なのか。
多少生き残っても楽しみがない、死ぬのは時間の問題なとき、いったいなにを希望にすればいいのか。
武装集団があることを希望にしているが、極限状態だとそうなってしまうのかなあ。
それにしても、彼岸島の元ネタのシーンをみることができたのが僥倖。
血が一滴垂れるあの描写は、まさにだね。
28日後...‼️
今作で襲ってくるのはゾンビではありません‼️ "凶暴性" を増幅させるウイルスにより凶暴化した感染者から逃げながらロンドンを脱出しようとする非感染者たち‼️ゾンビは死人だけど、今作の感染者たちは一応生きてるんですよね⁉️短期間で、低予算で、そしてデジタルで撮影された、その映像‼️ある意味、その安っぽい画面や、早回しの映像で再現される感染者たちの襲撃が、ホントにリアルでコワいし、終末観が漂ってますよね‼️不気味なほど人気のないロンドンの街の風景、そしてやはり一番コワいのは非感染者の人間たちという、このジャンルの定番の設定もイイですね‼️SFとしても、ホラーとしても、サスペンス、人間ドラマとしても素晴らしい‼️
全84件中、1~20件目を表示