28日後...のレビュー・感想・評価
全58件中、1~20件目を表示
全力疾走ゾンビの生みの親
昨今のゾンビ映画や感染症のパニック映画といえば「あ〜」って前に倣え!の状態でゆっくり歩いてくるのではなく、「新感染」「哭声コクソン」など全力疾走で追いかけてくる、異常なまでの暴力的な化け物が多い。
これらの全力疾走パンデミック映画の先駆けとなるのが、この「28日後。。」
監督は「トレインスポッティング」や「スラムドックミリオネア」など取られているダニーボイル。
人間の極限状態を撮るのが上手い印象やけど、2002年から上手かったとは。
当時制作予算は8Mドルで挑み、興行収入は10倍の約80Mドルになるほど、評価を受け、続編などシリーズ化のきっかけとなった第1作目。
あらすじは・・・
研究所で猿に感染していた凶暴化になるウイルスが漏れてしまい、イギリス内で蔓延。28日後に病院で目を覚ました男性が、ゴーストタウンとなった街で恐怖におそわれる話。
冒頭、おそらくウイルス蔓延の原因となる研究所からのシーンから始まる。
結局いつも人間自身が引き起こしているじゃないかと絶望させられる。
そして、シーンは変わりゴーストタウンになり、街中の歩く主人公。今見ると、まるでコロナ禍の街中を見ているようだった。
(実際はロンドンの通りを早朝封鎖し、撮影したらしい。)
先駆けと言われているが、実は公開当時従来のゾンビ映画は墓から死者が蘇るのが普通だったため、高速で走り出すゾンビは受けられなかったらしい。
しかし、次第に受け入れられ、これが新常識となった。
そしてさらに革命的な新常識は、血を取り込んでしまうと感染してしまうというところ。
今までは噛まれたら感染するっていうのが一般的だったが、本作では感染者の血を目に入れるだけで感染してしまう。
(まぁ、今考えれば当たり前なんなけど)
感染者をとりあえず、殺せばいいわけではなく、返り血を目や口に入れないように注意するという描写も新鮮だった。
感染者から追いかけられて、極限状態の中でなんとか生きようとする人々。
生きようとはしているが、心半ばあきらめているものなど、当時から分かりやすい外的要因と、人間ドラマのせめぎ合い、助け合いが必要な時にこそ、強きものルールを従わせる場面が、まさに人間のエゴ。
「28日後」以降にも数多くの作品に関わり、どれも設定の面白さだけでなく、人間の極限を表すのが、なんとも魅力的である。
ラストのあえての爽やかさ。
気づいたどうかは判断できないのに、今度は見てくれた!という極限状態でも未来や希望に目を向けているのも意外にダニーボイル監督の作品性なのかもしれない!
昔の映画って感じです!
日本人もおんなじこと考えると思う
キリアン・マーフィーの出世作
「28年後」を観るための予習。製作された2002年当時のゾンビ系映画やドラマがどの程度拡がってたかは(あまり好きなジャンルではないので)知らないが、あのダニー・ボイルが監督だったのだから話題になったことだろう。研究所にどこかの動物保護の過激派が侵入したことにより「凶暴性」のウィルスが漏れてしまい物語は始まる。主人公はなんと「オッペンハイマー」のキリアン・マーフィーだった。あとで気づいたのだが出世作だったのでしょう。感染のメカニズム、感染者との戦い。行動を共にする仲間との出会いと別れ。軍に助けられたと思ったら彼らの目的は女を部下に与えることという鬼畜。それでも何とか希望がある終わり方だったが、。
次は「28週後」を観る。どう物語が進んでいくのだろう、、。
エンタメ性よりもドラマ性重視のゾンビもの。
ゾンビが全力疾走で追いかけてくるのは確かこの作品からだったと思うが、孤立無援感から始まり、悲壮的な絶望感を経て、希望を感じさせてくれるラストまで、とにかくドラマ性という点で過去の全てのゾンビものを凌駕するような重厚さで観る者を惹きつける。この時まだ無名に等しかったキリアン・マーフィの素晴らしい演技と存在感が物語を引っ張っている。
エンタメ性という点では、フレスナディージョ監督による続編『28週後…』の方に軍配が上がると個人的に思っているが、本作が無ければ次もなかったわけで…このジャンルがそもそも広く受け入れられることが難しいジャンルであることを踏まえつつも、ロメロ監督によるゾンビ映画を現代的にアップデートとしたという意味では、エポックメイキングな作品だったことには違いない。
さて、ボイル監督が返り咲いた三作目の出来栄えはどうだろうか?
観る順番が逆だった
なかなか面白かった
もう、20年以上前の作品なんですね。
2020年に、新型コロナウイルス感染症が、瞬く間に世界を席巻したのは記憶に新しいところですが、この作品は、それに遡ること18年。2002年に制作された作品(日本公開は2003年)。
コロナの時も、あっという間に全世界に広がって行ったのは周知のとおりですが、この作品でも狂暴化するウイルス?が、瞬く間に世界に広がっていったかのような描写がなされています。
続編になる、『28週後・・・』が2007年(日本では2008年)に公開され、更にその続編となる『28年後・・・』が今年公開予定になっています。楽しみ。
っていうか、感染を抑えられたのか???
28年後…の前作
彼岸島の元ネタ
続編に「28週後」があり、そして最近「28年後」という3作目が公開した。
名作として人気があるのは知っていたが見たことはなく、新作がでるということで見てみた。
いわゆるゾンビ映画のジャンルだと思うけど、映画に出てくるのは正確にはゾンビというわけではないのかな?
謎の感染症。
インフラも何も全て止まった世界で生き延びていくサバイバル。
ざらついた映像なのは仕様なのか。
多少生き残っても楽しみがない、死ぬのは時間の問題なとき、いったいなにを希望にすればいいのか。
武装集団があることを希望にしているが、極限状態だとそうなってしまうのかなあ。
それにしても、彼岸島の元ネタのシーンをみることができたのが僥倖。
血が一滴垂れるあの描写は、まさにだね。
おさらい鑑賞。やはり名作。。。 事象やストーリーより、感情や風景が...
チャレンジングなことをやって、しっかり成功しているのが素晴らしい
病院で目覚めて世界が変わったことに気付く、誰もいない大都市、スーパ...
空白の日々を想像させる面白さもあります
【”実存は本質に先立つ。”今作は、従来のウィルスパニック映画とは一線を画す、生き残った人間達が様々な経験をする中でも、生きる希望を捨てない実存主義的ウィルスパニック映画である。】
■粗筋
・流石、ダニー・ボイル監督作だと思う。ウイルスに感染した人たちが崩壊させた”隔絶した島、英国。”と言う設定の妙。
・混乱と恐れと怒りの中、希望を捨てずに生きようと次々に様々な手段を選択して行く、ジム(キリアン・マーフィ)と、奇跡的に出会ったセリーナ(ナオミ・ハリス)、フランク(ブレンダン・グリーソン)、ハンナ(ミーガン・バーンズ)親子。
・特にジムの、冒頭事故で病院のベッドで裸体で横たわる姿からの、セリーナ、マーク
(ノア・ハントリー)と出会い、マークが罹患した後に出会ったフランクとハンナと無人のショッピングセンターで楽しそうに、買い物をする姿。
・彼らは、生き残っていると思われる軍隊の小隊を目指し、旅に出るが、到着したところで、フランクが感染してしまう。
・だが、生き残った3人は、ヘンリー・ウエスト少佐(クリストファー・エクルストン)等に、歓迎されるが、少佐たちは種の保存と、欲求のためにセリーナとハンナの引き渡しを求めるのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・設定が秀逸である。
多くのパニックウイルス映画では、ウイルスの発見から一気にパンデミック状態になって行く様が見所であるが、今作ではその状況は映されずに、それがひと段落着いた28日後から始まる所である。
・又、キャラクターとしてはキリアン・マーフィ演じるジムの、目覚めた時には裸体(敢えての演出と思われる。)であるところから、様々な恐ろしくも哀しき出来事や、束の間の仲間との心落ち着く時を過ごす中で、彼は弱き人間から成長して行くのである。正に、”実存は本質に先立つ。”なのである。
・そして、ヘンリー・ウエスト少佐率いる隊との戦いの後に、セリーナ、ハンナ、そしてジムは餓死した感染者たちの脇を通り抜け、”島国英国”内の海と山とが見える一軒家で、飛来して来た飛行機に布でSOSのサイン「HELLO」を示し”これで、伝わったわね。”と笑顔を交わすのである。
<今作は、従来のウィルスパニック映画とは一線を画す、生き残った人間達が様々な経験をする中でも、生きる希望を捨てない実存主義的ウィルスパニック映画なのである。>
ゾンビ
ホラー=ゾンビ という公式でなければ売れないというのは、本当かもしれない。
実際に私もつられて見てしまった。
「マギー」でゾンビ作品の進化を見たように思ったが、これはそもそも2003年というかなり前の作品だった。
タイトルに特別な意味を感じることができない。
それはホラーだからだろうか?
逆にゾンビだから最後まで見れたのかもしれない。
ゾンビより怖い人間の思考
これがこの作品の言いたかったことかもしれない。
ただ、自警団のようになってしまった軍隊を掌握するには、目的が必要なのだろう。
少佐と呼ばれるトップ
彼がゾンビから身を守るために考えた将来 「女」を探し出すというのは自然かもしれない。
物語の中には人類と暴力の歴史が語られるが、このどうしようもない思考こそこの作品が伝えたかったことだろうか。
しかし、最後の場面
地上に布で書いた「HELLO」の文字
なぜこの文字だったのだろう?
おそらく最後の「W」は間に合わなかったと思われる。
間に合わないけど間に合ったということを伝えたいのだろう。
普通は「SOS」だと思うが、アンナにたくさんの布を使って時間をかけて、HELLOWを書こうとした理由がわからない。
また、
この作品はやはりバイオハザードの影響を受けているように思う。
冒頭の主人公の登場は特にそうだった。
この物語には感染源が明確化されている。
ケンブリッジにある霊長類研究センター
そこにいた「感染」しているチンパンジー
その目的などが語られないのが残念だった。
チンパンジーたちが見ていたのがテロや暴力や拷問などのニュース報道だった。
それを鑑みると、あの施設ではチンパンジーを教育、または薬剤投入、遺伝子操作によって人間のようにしようとしていたのかもしれない。
「虐待」されているチンパンジーを助けるためにシーシェパードのような動物愛護団体が施設に突入したことがパンデミックを引き起こしたのだろう。
つまり、すべては人災なのだろう。
特に「それ」を隠していることは思ってもみない人災になるように思う。
西洋では「ゾンビ」や「ウイルス」による終末が多く描かれるが、日本では「自然災害」や「霊的存在」が多い。
これは、自然との関係性や宗教観の違いが反映されるからだろう。
全58件中、1~20件目を表示