「女を怒らせるとコワイぞ…👹というお話でした。はい。」X-MEN:ファイナル・ディシジョン たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
女を怒らせるとコワイぞ…👹というお話でした。はい。
スーパーヒーローチーム「X-MEN」の活躍を描くアメコミアクション映画『X-MEN』シリーズの第3作。
ミュータントを「治療」する薬品をめぐり、人間とミュータントによる最後の争いが幕を開ける…。
○キャスト
ローガン/ウルヴァリン…ヒュー・ジャックマン。
オロロ・マンロー/ストーム…ハル・ベリー。
スコット・サマーズ/サイクロップス…ジェームズ・マースデン。
エリック・レーンシャー/マグニートー…イアン・マッケラン。
新たなキャストとして、物質を透過できるミュータントの少女、キティ・プライド/シャドウキャットを演じるのは『ハード キャンディ』のエリオット・ペイジ。
製作総指揮にはスタン・リーとケヴィン・ファイギが名を連ねている。
一応本作で『X-MEN』初期三部作は完結…って感じなのかな?
とはいえ、マーベル作品ではもはやお馴染みとなったエンド・クレジットシーンにおいて次回作への布石が打たれており、まだまだシリーズを続けるぞ!という意気込みが感じられる。
まず邦題から。
原題では『The Last Stand』という副題がついていたが、邦題では『ファイナル・ディシジョン』というものに置き換えられている。
こういう、英語から英語への改題が個人的には一番嫌い。担当者の、「オレとりあえず仕事しときました〜♪」的な顔がチラついて、怒りすら覚える💢
改題によって分かりやすくなっていればまだ良いのだが、本作では『ディシジョン』とかいう日常的に使わない言葉が用いられており、全く分かりやすくなっていない。
「スタンドってダサいっすよ!ディシジョンの方がカッコ良いっすよ〜😏」みたいな感じでつけたんだろうどうせ。こういう本家をリスペクトしないタイトルをつける業界人、クラゲみたいになって消滅してくれないかな、マジで。
とまぁ、クソ邦題の時点でちょっとテンションダウンしたんだけど、肝心の内容も…。
うん。つまらなくはないよ…。退屈もしないよ…。だけど、これ…。いや、もうちょっと…。うーむ…。
『2』(2003)よりも30分程ランタイムが短くなっており、前作にあった間延びしたような感覚はない。このタイトさは『1』(2000)を思い出して好印象。
ミュータントを「治療」する薬を扱う一連の出来事には、物語的必然性を感じた。たしかに、最終章にはこのことを扱うべきだろう。
かつて、同性愛は精神疾患と捉えられて、「治療」と称した矯正が行われていた。というか、今でも一部の旧態的な地方・国家では「治療」が続いている。
WHOが同性愛を国政疾病分類から外したのは1990年。30年前までは病気として捉えられていたというこの非常にハードな現実を、SFに置き換えて表現してみせたのは素直に凄い。
このテーマを扱っておきながら、一方的に「治療」はダメだ!といっていないところも良い。
ローグはミュータントを「治療」することによりボーイフレンドの手を握ることが出来た。現実でも、治療出来るのなら治して欲しいと思っているLGBTQの人、きっといるんだろうな。
反対派も肯定派も、合理的に描いているやり方は非常に良いと思います👍
ただ、やっぱり悪い…というか上手くいっていない所が多すぎる。
まず、サイクロップスの扱いの悪さ。うっそだろコレ!?
ジェームズ・マースデンが本作より『スーパーマン リターンズ』(2006)への出演を優先した結果こんな感じになったらしいんだけど、それにしても酷過ぎる…。『2』の時点で扱い悪いなー…と思っていたのだが、本作でそれをさらに下回るとは思っても見なかった。
どうせラストには生き返るんでしょ😏とか思っていたらマジで死んだままだったので、かなり驚いた。もちろん悪い意味で。
プロフェッサーXのジジイは本作でもどうしようもなかった。三作品全てにおいて役に立ってないやん!
というか、この爺さんがフェニックスを押さえ込もうとしたのがそもそもの原因じゃねぇのか?
強すぎるが故に扱いが悪くなるキャラクターが少年漫画とかに結構いるけど、プロフェッサーXはまさにその筆頭だと思いました。
ミスティークもなぁ。人間に戻るところは凄くエッチで良かった💕でも、その後が…。
普通にマグニートー達を売ったところに、フェニックスを上回る女の恐ろしさを感じました。
マグニートー率いる「ブラザーフッド」は、景気良く暴れてくれて爽快だった。
特にジャガーノート!彼は良い!
あのクソダサいビジュアルと単純すぎる能力、そしてあまりに呆気ない最後まで、なんか愛くるしさを感じる良キャラでした。
でもこのブラザーフッドたちの散り際がなぁ。結局フェニックスにやられて全員消えちゃうというのはあまりに味気ない。まぁX-MENの人材不足はヤバいから、まともに戦ったら勝負にならなかっただろうが😅
フェニックスの扱いもなんか、ギアチェンジの下手なマニュアル車に乗っているようなガタガタ感を感じたし、本作から登場したエンジェルとかリーチとかも、もっと上手くお話に組み込めないものか、と思ったし、キュアを開発した企業についてはもっと描写すべきだと思ったし、他にも他にも細かい不満点はたくさんある。
まぁでも、何となく楽しかったといえば楽しかったのでそこまで嫌いな作品ではない。雑だけど闇雲なパワーがある、ジャガーノートみたいな作品でした。
まだまだ謎が残る『X-MEN』シリーズ。
もうちょっと付き合っていこうと思います!