ワールド・トレード・センターのレビュー・感想・評価
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【9.11テロで崩壊したワールド・トレード・センターから奇蹟的に救出された湾岸警察官の二人と彼らの家族の姿を描いた作品】
ー 9.11テロで崩壊したワールド・トレード・センターで亡くなった人々や、ハイジャックされ命を落とした方々の数が、エンドロールで流れる。
何故に、あのような地獄のようなことが起きてしまったのか、今更ながらに考えさせられる作品である。-
◆感想
・湾岸警察のジョン・マクローリン班長(ニコラス・ケイジ)は、ウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)等、部下を連れてワールド・トレード・センターに駆け付ける。
だが、ビルはあっと言う間に崩壊し、彼らは瓦礫に閉じこめられる。
・印象的なのは、唯一生き残ったジョン・マクローリンとウィル・ヒメノが、声を掛け合いながらそれまで親しくなかった事もあり、お互いの家族を紹介するシーンや、身体の損傷により、意識を失いかける時に、声を掛け合う姿である。
■沁みるのは、いつ崩壊してもおかしくないビルの瓦礫の中に入って行く海兵隊員のカーンズ(マイケル・シャノン)達の姿である。
彼らは、”俺たちは海兵隊員だ。人の命を救うのが仕事だ。”と言って救助作業に当たるのである。
・今作が響くのは、ジョン・マクローリンとウィル・ヒメノの妻や家族の姿も並行して描かれている所であろう。
<今作は、今やグラウンド・ゼロとなったワールド・トレード・センターに救助に行き乍ら、逆に犠牲になった多くの消防隊員、警察官にも捧げられている。
派手さはないが、アメリカ人の非常時の結束の強さを示した作品である。
「ユナイテッド93」とは内容は異なるが謂れなきテロへの怒りを示した作品でもある。>
メッセージ性が弱い
オリバーストーン監督なので、あの事件をどう作品化するのかと楽しみに見ましたが、やや期待外れ。
ドキュメンタリーとしては一見の価値はあるが、映画としての感動はあまり響かず、プラトーンのような強烈なメッセージが伝わらなかった。
最後のシーンもなんだか無理やり感が…
勇敢な人たち
あの崩れそうなビルの中を、自ら進んで救出に向かった警察官達。
主人公二人を助け出すために、いつ崩れるかもわからない瓦礫の中に入っていく救助隊の人たち。
この作品には、勇敢な人たちがたくさん出てくる。
9.11がどんなに悲惨で、悲しい思いをした人たちがどんなにたくさんいたのか、そして、どれだけたくさんの勇気ある行いがあったのかが、しっかり伝わってきました。
もう2度とこんなテロは起きてほしくないですね。
映画としては・・・
911同時多発テロをわずか5年で映画化。向こうはこういうの早すぎ(笑)
飛行機がビルに激突するシーンはテレビ映像がチラッと使われるだけ。救助隊がワールドトレードセンターに出動し、ビル内に入ったら崩落が始まる。
あとは延々、暗闇の中で地味な脱出劇が続くだけ。
というわけで映画としてはとにかく退屈。
無数のドラマがあったであろう実話をどこを切り取って作品にするか脚本家泣かせの作品
主演ニコラスケイジだが、マイケルペーニャ夫妻が主人公として見ていました。
家族愛がテーマなのはわかっていましたが助かるかどうかは見てのお楽しみ
ニコラスケイジは死んでゴーストライダーに マイケルペーニャは、アントマンが助けに来ると信じて ワクワクしながら楽しめた。
しかし、助けに行った海兵隊員が報復を誓うのは、複雑な気持ちに成りました。
乗っ取ってあんなことをしても何にも良いことはないのに
ちょっとのことで生死が分かれる。
志願しなければ・・・台車運びを変わらなければ・・・。
生き残った二人は多かれ少なかれ犠牲者に対してつらい思いが続いたろうと想像する。
生に対する執着心と海兵隊の使命に対する執着心が二人の救出に繋がった。
助かった二人はすごい精神力の持ち主で尊敬する。
自分なら発狂していただろう。
それにしても警察署の受付の黒人の女性は悪くないのに主人公の奥さんにぼろかすに言われてかわいそうだったけれど思わず笑ってしまうシーンだった。
そんなシーンも無かったらやってられないくらいつらい映画だった。
勇敢な人達の犠牲を忘れてはいけない。
911、ワールドトレートセンターの2つのビルの崩壊により、2,977人が死亡。
なんとその内の343名が消防士というから驚きだ。
いち早く現場に駆けつけ、命を犠牲にしてしまった人達。
世の中にとって、こんな不幸があるだろうか…。
本当に悔やまれる。
本作を日本のこととして観ることが必要だと思います さもなければ、あのツインタワーのように、私達の文明社会は崩壊しかねないのです
911からもうすぐ20年
今にして思えば21世紀の幕開けの号砲でした
バラ色の未来の21世紀は、いきなりバラバラに砕け散ってしまいました
21世紀は20世紀を上回る戦争の世紀になるのかも知れないのです
テロ戦争、イラク戦争、コロナ禍、米中新冷戦
もう冷戦終結の頃のような脳天気な時代は雲散霧消したのです
怒り狂った米国はテロ戦争に突入して、早くもアフガニスタンに2ヵ月後の11月には侵攻していました
そして20年
今日は8月31日
そのアフガニスタンから米軍は撤退を完了しました
その時のカブール空港での大混乱の様は、衝撃的なものでした
確かに911の首謀者ビン・ラディンは米軍特殊部隊による暗殺作戦で報復はなされました
しかしそれは10年も前、2011年のことでした
それからも米軍はアフガニスタンから撤退出来ずにいました
なぜなら撤退すれば、またテロの温床になってしまうと危惧したからです
親米政権を立て20年、もう大丈夫と思ったのでしょう
バイデン大統領のいうように永遠に戦争なんかできません
いつかは終わらせ無ければならないのです
その意味では正しい決断であったのかも知れません
しかし、ボウフラの湧くドブは掃除をやめれば、また害虫の巣窟になるしかないのです
本作は米国が20年に及ぶ、米国最長の戦争にのめり込んだ理由を教えてくれます
なぜ狂気のようにテロ戦争にのめり込んだのか?
それは恐怖です
こんな恐ろしいことが米国の中心で起きたのです
こんな事が二度とあってはならない
だからテロの温床を根絶やしにしようとしたのです
でもそれに失敗したのです
それがアフガニスタン撤退の意味です
つまり、いつかまた911が起きるかも知れません
本作の恐怖が再現されるかも知れないのです
日本は他人事?
米国の身勝手が招いたことでいい気味?
日本だって無関係ではないはずです
911では大勢の日本人も亡くなりました
テロの標的が日本になることすら有り得ます
サミュエル・ハチントンの名著「文明の衝突」そのものが起こっているのです
日本はアフガニスタンに莫大な援助を、資金や中村医師のような人道支援をしてきました
それでも、日本に協力したアフガニスタン人はその家族までタリバンから生命の危険に晒されています
そして日本は彼らの救出作戦を失敗してしまったのです
本作の恐怖、痛みを、日本人も自分のこととして捉え無ければならないと思います
東京で明日起こるかも知れないのです
そんな極端な、荒唐無稽なことを!と非難されるかも知れません
しかし911の前に、このような事が起きると予言しても誰も信じないし狂人のたわごとだと言われたはずです
本作を日本のこととして観ることが必要だと思います
さもなければ、あのツインタワーのように、私達の文明社会は崩壊しかねないのです
ノンフィクションの救助物語
9.11 の背景、WTC で実際に起こった避難の様子を想像していたのだが、救助に向かった警官が救助されるという物語であって期待外れだった。。。
2020年1月に New York 出張時に Grand Zero を訪問していたので、その時を思い出して映画を視聴したのだが、背景描写が少なくて残念だった。
サバイバルではなく、家族を描いた物語
9.11テロの際に救援に赴き、自らワールドトレードセンター崩壊により生き埋めになった警官達の物語。
実話を基にした物語。
「プロパガンダ映画」と警戒して鑑賞を控えていましたが、流石にオリバーストーン。そんな映画にはしませんでした。
瓦礫の下に生き埋め状態になる警官達。「その恐怖」そして「彼等の家族の恐怖」「家族の絆」を余すことなく活写しています。
イスラム世界に対する憎悪や恐怖・・・どころか、「イスラム」という単語すら出て来ないところに、オリバーストーンの強い意志を感じ、好感が持てました。
ラスト。殉職した同僚や同僚の家族が映されていないことに一抹の不満を感じましたが、もしかすると過度な憎しみを避ける思惑があったのかもしれません。
18年経ったんですね。
ニコラス・ケイジが扮するジョン・マクローリン・・・『ダイハード』の主人公の名前の由来もここからだというのは全くのデマです。
名前が似ているだけではなく、なかなか死なない男という共通項もあり、演ずる俳優がハゲ疑惑があることまで一緒だと、どうしてもブルース・ウィリスを思い出してしまいます。しかも、部下であるウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)が映画『G.I..ジェーン』の話を持ち出すものだから、「元妻デミ・ムーアくらい思い出せよ」と心の中で突っ込んでしまいました。などと書くと、ツッコミ箇所が多い映画かと思われがちですが、瓦礫の下敷きになり息が詰まりそうになるほどの緊迫感の中ではそんなこと考える余裕もなくなってくる映画なのです。
9.11同時多発テロ。何度も見た旅客機激突映像は実際の現場に向かった警官たちは見ていない。下手糞なパイロットが操縦ミスしたんだという言葉に象徴されるように、何が起こったのかもさっぱりわからない状況。とにかく人命救助という職業意識だけで本能的に行動を起こし、爆弾テロを経験していたサージの下、命を顧みずビルに突入する。てきぱきと行動する中にあっても、彼ら警官たちは異常事態のため困惑を隠せない。しかし、マクローリン班長はエレベーターのシャフトが折れるという突発事故でも適切な判断を下す・・・気づくと暗闇の中。瓦礫の下敷きになってることさえもわからない状況にあって、生存者の確認。ここから生き抜くことだけを考える彼らの物語が始まる。
プチっとフィルムが切れたかのような暗闇の画面。これが何度も登場し、意識が一瞬途切れたかのような効果を生み出して、自分の命を確認する。愛する家族のことを思い出したり、親しくなかった同僚にも「アイ・ラヴ・ユー」と告げる。救助を待つ、人を信ずる、生きる希望を失わない。「眠ってしまったら死ぬぞ」と激を飛ばす。絶望的な状況下にあって、二人の警官が命の絆で結ばれていく様子に心打たれてしまいました。
一方、彼らの安否を気遣う家族の描写もリアルでした。『炎のメモリアル』でも「家の前に赤い車が止まって・・・」という悪い知らせが届くのではないかという不安が描かれてましたが、ここでも家族のこわばった表情のおかげで感情移入しまくりました。特にマギー・ギレンホール演技は見事なもの。なんとか助演女優賞あたりをとらせてあげたい。
「政治的メッセージは排除した」と言うオリバー・ストーン監督ですが、「テロを政治に利用しているだけだ」と批判のコメントも残している。その心意気は映画を観るだけでは伝わってこないのかもしれないけど、一人の命を救うことがどれだけ大変なことなのかということがひしひしと伝わってきます。「テロに屈してはならない」といった上からの妄言ではなく、命の尊さを現場のほうから訴えるといった内容。かつての社会派監督しての鋭い批判精神は弱まっているのかもしれませんけど、人間の本質、生きることの素晴らしさを描いたものに違いありません。
〈2006年10月映画館にて〉
映画としてはイマイチ
実際に多くの方が亡くなった事件で、奇跡的に助かった人がいた事は非常に素晴らしい事だと思う。
でもこの映画は、実話だから感動しなきゃいけない雰囲気を全面に出しているだけで、地下に埋もれてしまってから救出されるまでのドラマがない。
これならニュースで見るのとなんの変わりもない。
あの日のことは今でもよく覚えてる。 大変な事だったし、映像だけでは...
あの日のことは今でもよく覚えてる。
大変な事だったし、映像だけでは伝わってこないドラマが沢山あっただろうと想像はつく。
でもこれを映画として出すのはどうだったんだろう。
9.11
私は当時高校生で、朝起きて母に
「NYで大変なことが起こった」
と言われても、眠さに負けて、ただボーッとTVを見ていただけでした。
事の次第を理解したのは夜のニュースで、それでも結局、あまりの事態にまたも映像を呆然と眺めていた記憶があります。
映画は歴史を語り継ぐツールでもあると思います。
絶対に忘れてはいけないこと、
繰り返してはいけないこと…
この映画も、記憶の欠片として観てよかった一作。
涙が止まりませんでした。
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