劇場公開日 2007年4月22日

「【華麗な映像と台詞が楽しさとやる気を与えてくれる】」V フォー・ヴェンデッタ 3104arataさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【華麗な映像と台詞が楽しさとやる気を与えてくれる】

2021年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

知的

・2005年公開のアメリカ・イギリス・ドイツの合作映画。
・第三次世界大戦後という仮想世界のイングランド。国は独裁者によって支配されている。そこに現れる仮面をかぶったVという男。Vが独裁者に復讐を果たすために行動していく。という大枠ストーリー。
・製作・脚本はマトリックスシリーズの「ウォシャウスキー兄弟」。

[お薦めのポイント]
・「理念を持とう!」とやる気が出る
・華麗で真摯で強いVがスタイリッシュ(映像も)
・仮想世界の設定が面白い

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
[物語]
・物語は主人公Vの復讐劇といういたってシンプルなもの。ですが、その中に、独裁国家に支配される人々を巻き込む魅力を持ったV、強靭無敵なV、華麗なV、様々な要素が入り混じって最後まで見入ってしまいます。特にイヴィーという女性の台詞「Vとは、私の父、私の母、私の弟、友人、そしてあなた。私。彼はみんなよ」。これが、「私は理念だから殺せない」的な趣旨のVの台詞と独裁国家に支配されている市民とを照らし合わせると、ぞわっと来てしまいます。なんというか、「あなたは理念をもって生きていますか?」と問われているようです。怪人二十面相のような単純なアトラクション要素のある映画に見えて、シンプルなテーマを投げかけてくれているようで好きでした。

[演出]
・Vの描き方がかっこよいですね。仮面の中はおそらく醜いものなはずなのに、しぐさや発言は紳士的で華麗です。
・一度だけVの情緒が崩れるシーンがあります。なんで?となりますが、一応、最後のほうで伏線的に回収されます。若干弱かったかなぁ笑 でも理屈は理解できるので、もう少し、イヴィーとの関係を時間を使って描いてもよかったかもしれません。

[映像]
・爆破シーンなどは圧巻です。戦闘シーンも華麗。ダークな世界観×美しい映像が、スタイリッシュさを増してくれますね。

[音楽]
・際立って感じたことはありませんでした。

[演技・配役]
・V役のヒューゴ・ウィーヴィングさん、しぐさだけで華麗な紳士を魅せるあたりが凄いですね。
・アダム・サトラ-首相(独裁者)は、演じるジョン・ハートさんのせい?ではないと思いますが、若干、役柄的に三文芝居のように感じてしまいます。単なる駄々っ子のような首相。いるのか、こんな独裁者という印象。笑 ただ、仮想世界なので観ている分には全然許せます。

[全体]
・「強い理念があれば決して死なない」は極端かもしれませんが、それくらい日々の生活でも「理念」を大切にしたいなー、と思わせてくれる映画でした。Vは復讐を成し遂げるまで、20年という長い長い月日をその「理念」をもとに突き進んできました。どんなにつらい状況でも「理念」が彼を支え、前進させた、と思わせてくれる物語の運び。それゆえ、現実世界でもそれを持つ重要性みたいなものを語り掛けてもらった気がします。アトラクション的に観ることも、何かやる気を得るために観ることも、どちらもお勧めな映画です。ありがとうございました。

#映画 #SF #第3次世界大戦 #独裁国家 #V #VforVendetta #2005年 #アクション #仮想世界 #ヒューゴ・ウィーヴィング #ナタリー・ポートマン #ジェームズ・マクティーグ監督 #ウォシャウスキー兄弟 #アメリカ映画 #イギリス映画 #ドイツ映画 #3国合作
#全体3.5 #物語3.5 #演出3.6 #演技3.5 #配役3.5 #映像3.6 #音楽3.5

3104arata