トロイ : インタビュー
トロイの王プリアモスの姪で、2人の王子の従姉妹でもあるブリセウスは、太陽神アポロに仕える巫女であり、ギリシャ軍が神殿に攻め入ったおり、捕虜として捕らえられてアキレスへの“戦利品”になる。しかし、そんな彼女の存在が、無敵の戦士アキレスを大きく変えていくことになる。この超大作で、ブラッド・ピットの相手役を務めた女優ローズ・バーンの素顔とは?
ローズ・バーン インタビュー
「女優として大舞台に立てたことが、なにより嬉しいわ」
編集部
――今回、ハリウッドを代表するスターのブラッド・ピットと共演したわけですが、撮影中の印象や思い出深いエピソードは?
「ブラッドはとても素晴らしい人よ。彼の映画を観るのではなくて、一緒に出演しているなんて、とても興奮する体験だったわ。お互いにアキレスとブリセウスを完全にモノにしたかったから、彼とは撮影前にセリフの練習をさせてもらったりもしたわ。作品にも表れているかと思うけれど、甘やかされていたかもね(笑)。それから、ブラッドとピーター・オトゥールが語り合うシーンは、私のようなオーストラリア出身の若い女優には驚くような体験だったわ」
――ブリセウスを演じる上で注意したことや、キャラクターになりきるために準備したことはありますか?
「最初に『イリアス』を読んだけれど、ブリセウスは最初と最後にしか出てこない脇役で、そこから拾えるものはあまりなかったの。あとは、トロイの女性について書かれた本を読んだけど、それは役に立ったかな。監督からは『威厳を持った強い女性にしてくれ』と繰り返し言われてたわ。捕虜という立場になっても、彼女は王族出身だから、威厳を保ち続けるの。アキレスはそんな彼女だから惹かれたのかもね」
――アキレスとブリセウスの出会いと愛はとても運命的ですが、平たく言えば一目惚れのようなものでもあると思うのですが。あなた自身にも、そのようなことはありますか?
「周りには確かにそういう人がいるけれど、私自身は一目惚れをしたことがないからわからないわ。それに、アキレスとブリセウスは一目惚れじゃないと思うの。最初はお互いの心を隠しているしね。よく、手に入らないモノを欲しがったりするでしょ? 2人はそれに近いのかもね」
――この映画に描かれている戦いやその後の悲劇は、現代に通じるメッセージが込められていると思いました。あなたはどう受け止めましたか?
「人間同士が傷つけあうという行為は、今でも何も変わっていないわ。この作品は、“なぜ戦うのか?”という普遍的な問いを投げかけていて、観た人は、そこから何を学ぶか、あるいは何も学ばないかだけだと思うの」
――最後に本作に出演していかがでしたか?
「とにかく女優として大舞台に立てたことが、なにより嬉しいわ。オーストラリアではいろいろと出演しているけれど、あまり有名じゃないから、初めて知ってもらえる人もたくさんいるでしょうし。こんな大作に出演するなんて、滅多にないことだものね」
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