トロイ : インタビュー
スパルタの王メネラウスの妻でありながら、トロイの王子パリスと恋に落ち、多くの悲劇を生み出す戦の引き金にもなった美女ヘレン。演じるダイアン・クルーガーは、モデルとしてパリを拠点に活躍し、リュック・ベッソンの勧めで女優業に進出。今回、ハリウッド初進出にして、豪華スターとの共演に恵まれた彼女の感想は?
ダイアン・クルーガー インタビュー
「人の裏側に隠れた感情まで表現することは、とてもやりがいがあったわ」
編集部
――初めてのハリウッド大作への出演ですが、役をオファーされたときの感想はいかがでしたか?
「この役を得るまで、オーディションを受けながら4カ月かかったの。世界中を飛び回って監督やプロデューサーに会ったり、スタジオを納得させたり、役作りに必要なだけ体重を増やしたり……。撮影に入る4週間前にようやく決まって安心したわ。でも、私にとって難しい役だったし、特にピーター(・オトゥール)、ブラッド(・ピット)、エリック(・バナ)といった、素晴らしい俳優達と共演することはとても不安だったの」
――その役をどのように演じたのですか? また、苦労された点は?
「これは他の人物にも言えることだけれど、単純な善悪を超えて、人としての深みを見せて、観客に共感を持たせることが重要だったの。ヘレンがパリスとスパルタを去ったことも葛藤の末の行動だし、他にも感情の奥行きをみせなくてはならないシーンがたくさんあった。まだ演技経験の浅い私には、難しいところだったけれど、人の隠れた感情を表現するのはとてもやりがいがあって面白い体験だったわ。ヘレンはただ綺麗なだけではなくて、考えることもできる女性なのよ」
――もしも自分が同じシチュエーションに置かれたとしたら、どうですか?
「難しい質問ね。私自身としては愛してもいない人との結婚は考えられないし、私のために戦争が起きるとは思えないし、ヘレンと私自身は比べられないと思うの」
――相手役となったオーランド・ブルームの印象はいかがでしたか? 今、ハリウッドでも注目の若手男優ですが。
「彼自身の生活もキャリアも、まだハリウッドに染まりきっていなくて、とても面白い男の子よ。好奇心も旺盛で、誰よりも先に首を突っ込むし、役者としてもとても寛大で、一緒に遊びに行くのも楽しい。良い友達になれて撮影以外でも一緒に過ごしたわ」
――この映画は3000年前の物語ですが、現代にも通じるテーマも多いと思います。そのあたりはどのように思いますか?
「人々が戦うことは何も変わらないと思う。こういう作品を観ると、寝起きに顔をひっぱたかれたような気分になるの。今でも、人の欲望や権力といったものは変わっていない。歴史から何も学ばすそれを繰り返してばかりで、悲しいことよね」
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