「女も死にたい。女たちの紡ぐ物語。」めぐりあう時間たち きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
女も死にたい。女たちの紡ぐ物語。
男性です。
男はみんな死にたいと思っています。
「死にたいと思ったことは一度もない」と言った男には、僕は今まで1人にしか会ったことがない。
この映画を観て初めて知ったのは
「女も死にたいと思っている」ということ。
知らなかった。
女はそんなことは考えないんだと思っていた。
世界が180度回転した、記念碑的な映画体験となりました。
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3大女優が、3時代の3つエピソードを担当するのが良い。
成功している。
3人を同時に登場させてお互いに絡ませる等の無駄遣いをしないシナリオは良く考えられている。
1941年の女流作家ニコール・キッドマンは姪に魂を引き継ぐ
(一緒に小鳥を弔った姪子)
姪は
1951年にこの小説にはまり生死を行き来する。そして
姪が産んだ娘が
2001年エピソードのメリル・ストリープその人だ。
メリルは同性のパートナーと暮らし、また娘を生んでいる。
命を生み出す女たちが、こんなに身近に死を想い、生死分け目の尾根に生きていたとは、僕にとって驚きの体験でした。
男においては命は単発。継承はされない。
ところが本作品、女たちは時代を隔ててばらばらなようで、こんなに有機的に死と命と、そして一冊の「女の生涯」で繋がっている。
本当に僕にとっては初めて覗いた新しい世界だったのですよ。
原作を読んでいませんが、原著をググるとその筋書きが、3人それぞれ、その日1日のプロットになっていることが判明します。
このレビューも鑑賞してから1年かかりました。
僕の母親の死生観について、あれこれ彼女の生きざまのエピソードを、いま大切に思い出しているところです。
きりんさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
冒頭から重苦しさの続く作品でしたが、女性達の思いがそう繋がっていくとは…。仰る通り、緻密に練られた脚本でした ✨
女優さん達それぞれの魅力に溢れた演技も素晴らしく、エド・ハリスの怪演にも圧倒されました。
女性は本音は言わないです。特に男性社会だと色々面倒臭いので。(結婚したくない、子供産みたくない、ひとり自立したいetc...)死にたいもあると思いますよ。本作の様なタブーな作品は、日本ではまだ受け入れられないかもしれないですね。
きりんさん、毎度ありがとうございます。
この作品は圧倒的に女性の支持がありましたよねぇ〜
まだまだ鑑賞本数が少ない時期だったので、もっと映画を見たいと思った頃でもありました!