劇場公開日 2004年7月10日

「好きなんだけどなぁ」スパイダーマン2 竜虎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0好きなんだけどなぁ

2015年8月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

最初に文句言っておきます。
ピーターは前作でなんで振ったんだろうか?
スパイディの戦いに巻き込みたくなくて振ったんならなぜ今更ウジウジしてるんだろうか、自分で覚悟したのに蒸し返しすぎてイライラしましたよ。

そしてMJも、君ピーターの事好きなんじゃなかったの?スパイダーマンかもって勘付いてたんじゃなかったの?
てか好きな雰囲気だしつつ、男キープしてんじゃないよ。
そんな描かれかたしたら相変わらずの尻軽にしか見えなくてこっちにもイライラ。
結局どっちもどっちじゃねえかよとしか思えなかった。

って吐き出した所で改めて

ピーターが散々落ちていってからの、力を取り戻すまでの流れは最高でしたね。
色んなものを失って、人生を取り戻そうとして、でも「それでも僕はスパイダーマンなんだ」って言う自負であり、呪いでもあるそんなピーターの覚悟が伝わってきて泣けます。
この段階まで来たら序盤のピーターとMJのグダグダも意味を成してくるんで、イライラはしたけど、でも丁寧に心情を描いてたんだなってことで多少は昇華されました。
そしてMJが言う最後のあの呼称にはテンション上がりましたね。やっぱりMJにこれを言ってもらわないとスパイダーマンじゃないっすよ。

またドクオクもカッコ良かった。
一概に悪だと言えない、少し悲しい形でヴィランになってしまったオクタビアがクライマックスでピーターの言葉をキッカケにモンスターから一人の人間に戻って行く姿は、これまた涙です。

それ以外の所だと街の人々とスパイディの掛け合いは、ベタですがヒーローであることを改めて示してくれますし、JJJ始めDB社の面々は相変わらずの振り回されっぷりとコメディカルな雰囲気で、作品に捻りを加えてくれてます。

あとはメイ叔母さんですかね。
前作ではベン叔父さんの言葉が話の中核でしたが今作は彼女のある台詞がピーターに覚悟を促し、またドクオクの良心を呼び起こす事になります。上手く前作との対比や補完という形で彼女の存在がクローズアップされており、その辺りも良かった所ですね。

他に気になったのは演出面で、よりホラー色が強くなった感じがしましたね。ドクのアームとかその辺りでのカメラワークなどはまさにホラー映画そのものでした。
音楽も、挿入歌であったり、スパイダーマンの歌が場面にあった形で流れるので非常に心情を盛り上げてくれる。特にオープニングのテーマとアートはかっこいいですね、あれ。

概ね満足というか、むしろ好きな映画に入るんですけど、ただ何故か長く感じてしまうんですよね。特に最初の1時間ぐらいはメイン2人の恋愛関係とかにイライラしてたんで非常にテンポが悪い。オープニングのピザ持って用具室から出てくるくだりとかもう2.3秒削ってもいいよ。

まあ色々ありますけど、ピーターとMJのすれ違いを除けば、やっぱりとても大好きで良い作品でした。自分やっぱりヒーローが再起する映画好きです。大好きです。

竜虎