劇場公開日 2001年3月10日

「ロック、ストック的展開×スピーディー+ブラピ=スナッチ?」スナッチ 百ももさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ロック、ストック的展開×スピーディー+ブラピ=スナッチ?

2010年5月27日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

「ロック、ストック〜」で、デビュー作にしていきなり傑作を作りあげたガイ・リッチー監督の長編2作目。

本作はどのような映画か?この質問にすごく雑に答えてしまえば、「ロック、ストック〜」と同じ、です。もちろん設定などは異なっていて、本作は86カラットのダイヤモンドを巡るお話。このダイヤモンドが重要な鍵になって、裏ボクシングのプロモーター、訛りの強い英語を話す流浪民たち、盗品宝石商など様々な登場人物たちが前作同様、馬鹿馬鹿しい大騒動を繰り広げます。

「ロック、ストック〜」から本作の決定的変化は何かといえば、まずは俳優陣が豪華になったこと。ブラピやベネチオ・デルトロなどの有名俳優が出演しひたすら馬鹿をやっています(一方で前作に出演した俳優が今作にも多数出演)。馬鹿馬鹿しさでいっても前作以上でしょう(笑)それから、よりスピーディーな展開になったことも大きな変化。登場人物が前作より多くなり複雑になっていますが、それをガイはスピーディーな演出で見せることで、作品にダイナミズムをもたせています。ただ序盤はさすがに展開が速すぎてついていけないかも。しかし中盤からは一気にもっていきます。

話の出来はやはり「ロック、ストック〜」のほうがいい。しかし、本作には華やかさとわかりやすい笑いを生むストーリー展開があります。その豪華さが好きな人には「ロック、ストック〜」は地味に映るかもしれないし、「ロック、ストック〜」の優れた脚本が好きな人には本作はごちゃごちゃしているように映るかもしれない。それは好みの問題でしょう。私はどちらかといえば「ロック、ストック〜」を買いますが、両作ともガイの本領を知るためには観るべき秀作だと思います。ただ、本作ではロンドンのストリートから飛びだしてきたようなアタック感が薄れてしまったかも。

最後に、本作には流浪民役で、「ロック、ストック〜」の主人公4人組の一人として出演していたジェイソン・フレミングが出演しています。出演時間は少ないし台詞はほとんどないけれど、彼の演技に注目して観ると、やっぱりいい仕事してるんですね。彼がもう少しいい役割を果たしてくれたら、よりおもしろかったかなとも思います。

百もも