シン・シティ : インタビュー
数多くのスター俳優が出演する「シン・シティ」。そんな俳優たちを代表し、編集部では本作の公開前に来日したブリタニー・マーフィへインタビューを敢行。来日記者会見などの発言も交え、現場の様子を探ってみる。
ブリタニー・マーフィ インタビュー
「3人の監督が揃った日は、撮影中最高の日だったわ」
聞き手:編集部
彼女が演じる恋多きウェイトレスのシェリーは、複数の物語が行き交う物語のなか、数多くのエピソードに顔を出す、フランク・ミラーお気に入りのキャラのひとりだ。そんな役を得た経緯は?
「ロバートとは何年も前から一緒に仕事をしようと言っていたんだけど、ある時、彼から連絡があって『君にいい役があるんだけど、共同の監督であるフランク・ミラーが君を承諾しなくちゃいけないんだ』と言ったの。私はフランクの作品を読んで知っていたけれど、きっと彼の描いたスケッチが、ロバートに私を思い起こさせるものがあったんだと思うわ。そのスケッチとコミックのダイアローグを使って、フランクの前で読みあわせをしたんだけれど、彼は私の声を気に入ってキャスティングしてくれたわ」
ロバート・ロドリゲスは本作を原作のスピリットを失うことなく映画化するために、アメリカ監督協会(DGA=Directors Guild of America)から脱退してまで、フランク・ミラーを共同監督に招き入れた(DGAの規定では、監督はひとりでなくてはならず、DGAに所属していなければメジャースタジオで映画を撮ることはできない)。ロドリゲスがそこまで入れ込んだフランク・ミラー自身が、監督として指揮していた現場を、彼女は「とても素晴らしかった!」と言う。
「例えば、私の体の角度とか手を置いている位置だとか、そうしたあらゆる細かいところも含め、美術的な部分を見てもらうことができたしね。ロバート・ロドリゲスは、原作コミックにあるものを、全てそのまま映画に映しだそうとしていたけれど、質問があればすぐそこに原作者がいるんですもの。彼はバイブルのような存在だから、そんな彼にすぐに何でも聞くことができるなんて、素晴らしいでしょ?」
さらに本作には、ロドリゲスの盟友、クエンティン・タランティーノも「特別監督」として1シーンの演出をしている。監督が3人も揃った現場とは?
「ロバート、フランク、クエンティンの3人が揃った日は、撮影中でもっとも最高の日だったわ。みんな子供のような心を持っていて、まるで遊んでいるようなんだけれど、彼らが揃うことで、周囲にはすごいクリエイティビティがあふれ出していたわ」
豪華な俳優たちが出演しているのも話題の本作。彼女の主な出演シーンでは、クライブ・オーウェンやベニチオ・デル・トロといった実力者と共演している。
「クライブは非常に静かで強い感じがするんだけと、一方でともて面白おかしいところもあるチャーミングな人。内面から出てくる演技で、とてもイギリス的なスタイルの演技をする人だと思う。ハンサムだし、とても家族思いな素敵な人よ。ベニチオもハンサムで素敵なんだけれど、演技はとても機敏というか、クライブとは全く違ったスタイルを持っているの」
ところで、共演者と浮名を流して破局するといった過去ももつブリタニー。本作で演じるシェリーは“恋多くも男運のない”女性なわけだが、自身の男運はずばり……?
「現在のところは、とても幸運だと思うわ(笑)」