シャーク・テイル : インタビュー
最近のアニメ作品では、声優に有名俳優を起用することは珍しくないが、「シュレック」のドリームワークスが送り出した最新アニメ「シャーク・テイル」は、キャラクターの顔も声をあてる俳優の顔をデフォルメするなど、今まで以上に声優の存在を知っておくと面白く見られるはず。そんな本作に声の出演を果たしたウィル・スミスとレニー・ゼルウィガー、そしてロバート・デ・ニーロ&マーティン・スコセッシの豪華コンビのインタビューをお届けする。
ウィル・スミス インタビュー
「オスカーと僕の共通項は、“夢を持っている”ことだね」 森山京子
数あるアニメ・キャラの中でも「シャーク・テイル」のオスカーほど声優の持ち味がそのまま生かされたケースはない。声を聞くまでもなく、キャラクターの顔を見ただけで、ウィル・スミスだと分かるのだ。
「似てる? もちろん、似てるよね。最初にデザイン画が送られてきた時は、ちょっと耳が誇張されすぎだけど、面白いじゃん!って思ったんだ。ところが3歳の娘がとんでもない疑問を抱いてしまった。父ちゃんに似た魚を捕まえた人がいるってね(爆笑)。機嫌が悪くなっちゃって、説明するのに苦労したよ。今はOKよ。もう5回も見て大好きになってくれた。スミス家においては大成功映画だよ」
顔はさておき、他にもオスカーと似ているところってあるの?
「オスカーと僕との共通項は、“夢を持っている”ことだね。自分は何かが出来ると、自分だけは信じているってこと。一番大きな違いは、オスカーは、夢が達成できたことをマジックだと思っているけど、僕は夢の達成にマジックはいらないと思う。それは一生懸命働く気があるかどうかにかかっているんだ」
最初は即興でふざけすぎて、「6歳の息子に、『父ちゃん、バカをやりすぎだよ』ってたしなめられた」と笑わせるウィル。普通に喋っていてもラップに聞こえてしまうのは、さすがプロの歌手だ。
レニー・ゼルウィガー インタビュー
「私はお魚じゃなくて、ひとりの女の子を演じたの」 森山京子
「声の出演だけだけど、アニメの作られ方がよーっく分かったわ。技術も演出も素晴らしいものがあるわよね。別々に録音したのに、丁々発止の喧嘩のシーンになってしまうんだもの、もうびっくり」
と言うのは、オスカーをひそかに恋するアンジー役のレニー・ゼルウィガーだ。
「録音スタジオに行くたびに、こうすると面白くない?って、ストーリーがどんどん書き直されているの。考えたことがそのまま絵になるんだから、可能性は無限よね。どんなアイデアを思いつくかという問題だから」
前から、一度アニメに出てみたいと思っていたというレニー。きっかけは「シュレック」を見たことだ。
「みんながどんなに楽しく仕事したのか聞いて、うらやましかったの。いつか私にも声をかけてくれないかなあと思っていたから、電話をもらってすぐにOKしちゃった。すごくエキサイティングだったわ」
役作りは?
「ないのよ、これが。太る必要も髪をとかす必要もなかったわ。私はお魚じゃなくて、ひとりの女の子を演じたの。だから水族館に行って、エンゼルフィッシュを観察するなんてことはしなかったのよ(笑)。子供みたいに考えて、伝えたいと思うことの真実を持ち込んだだけよ」
レニーの友人たちの間では、「アンジーの唇や頬が、彼女に似ているというのよ。あれこれ考えて議論するところも私にそっくりと言われたわ」
仰る通り。正義感の強いところはレニー本人に、口をとがらせて、ムキになって議論するところは、ブリジット・ジョーンズを演じているレニーにそっくりだ。