セブンソード : インタビュー
ドニー・イェン インタビュー
「やはり僕はアクションが好きなんだよ」
編集部
──今回は、香港アクションの大御所ラウ・カーリョンさんとの共演は、いかがでしたか? また共同でアクションの振り付けをしたのでしょうか?
「僕の師匠であるユエン・ウーピンと同様、70年代の香港を支えた大先輩だから、共演出来てとても光栄だよ。2人でどこかのアクション演出をするときは、彼がまず、『どうやりたい?』と聞いてくれるんだ。そして、それを受けた僕が3つくらいのアイデアを出す。で、彼に聞いてみると、彼は僕が一番いいアイデアだと思っていたのを選んでくれるんだ。楽なコラボレーションだったね(笑)」
──今回のように、ドニーさん、ラウさんのようなアクションのエキスパートとツイ・ハーク監督、そして撮影監督がいる現場では、どのようにアクションシーンの画面構成と撮影は進められるのでしょうか?
「基本的に香港の撮影監督はほとんど何も言わないんだ。だから、まず、大まかな動きやシーンの説明をツイ・ハークがする。そして、その説明を受けて、ラウさんや僕のアクションの振り付けを監督に何パターンか見せて、最終的には監督が取捨選択するんだ。すべての段取りは、ツイ・ハークによるものなんだよ」
──ドニーさんは、監督としても多くの作品を演出していますが、とてもツイ・ハーク監督を尊敬しているようですね。
「彼と一緒に仕事すると、何か必ず触発されるところがある。彼の他にも巨匠と呼ばれる監督と仕事をしたことがあるが、その人たちには、やはり成功作があって、巨匠の座に居るわけだけれど、過去の成功があるばかりに、その成功にこだわって、新しいことにチャレンジしないんだ。でもツイ・ハークは違う。いつもなにか違う面白いことをやろうとしている。要するに、いつも前進しているんだ。彼ほど僕を色々な意味で触発してくれる人はいないよね」
──今回はアクションではなく、キャラクターの性格に惹かれて、出演を決めたと聞きましたが?
「実際、アクション抜きの映画に出たことはあるんだが、やはり僕はアクションが好きなんだよ。スクリーン上で言葉抜きで表現するということはとても得難いことだし、僕自身、アクションには自信がある。それに芸術的だとも思うんだよ。だから、僕の身体が動く限り、今やっていることを続けたいんだ。最終的には、今も監督をやっているけど、監督、プロデューサーとしての時間が増えていくだろうね。役者よりも監督の方が好きだし、とにかく魔法のような時間を創造することに喜びを感じているんだ」
レオン・ライ インタビュー
「一番好きな監督と一緒に仕事が出来て、嬉しいよね」
編集部
──初アクションにして初の武侠映画、しかも本格的アクションに挑戦していましたが、役作りに際して、今までと違って苦労した点は?
「実はアクション映画に出演したのは今回が初めてじゃないんだ。でも日本で公開される作品としては『セブンソード』が初めてだね。役作りに関しては、それほど苦労はしなかったし、今までの役者としての経験を生かせたと思う。ツイ・ハーク監督とは長年の友人なで、常々、『2人で映画を作りたい』と話してきたんだけど、今回ようやく夢がかなえられた。一番好きな監督と一緒に仕事が出来て、やっぱり嬉しいよね」
──今回演じた役について、どんな人物だと思いますか?
「僕自身とは共通点はないね。でも監督はこの役と僕との何らかの共通点を見出したから、配役したんだと思うけど、僕が演じた役は普通の感情を持った人間だ」
──レオンさんにとって“正義を貫くこと”とは?
「正義の中にも“邪悪”なものは潜んでいると思う。正義と悪、双方のバランスが重要で、正義が悪を超えたところで“正義”となるんだと思うよ」
──最後に日本の観客に向けて、メッセージを!
「『セブンソード』は、ツイ・ハーク監督の集大成だと思う。あらゆる要素が凝縮した最高傑作といえると思う。個別のシーンではなく、トータルで、この作品の精神世界、スピリッツを見てほしいね」
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