ザ・ロイヤル・テネンバウムズのレビュー・感想・評価
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ここからウェス・アンダーソン苦手伝説がはじまった・・・俺だけ?
最初はコメディだと思ってずっと観ていたのだが、所詮この手の静かでブラックなコメディは個人的に評価できなかった。終ってみるとコメディ色よりはハートフルドラマというイメージが強く感じられました。予告編の面白さは明らかに爆笑ものだぞと訴えているように捉えられるのだが、見事に騙されたとしか言いようが無い。
そして、家族の死をここまでジョークにされると引いてしまうのが日本人なのでしょう。どうせなら思いっきり笑わせるような内容であってほしかったです。
しかし、俳優陣は豪華!ルーク・ウィルソン(オーウェンの弟)の演技も良かったです。
【”ロイヤルは沈む軍艦から、家族を救った。”疎遠になっていた家族の関係性が再構築していく過程を、独自のシンメトリックな映像構成、独特なユーモアに満ちた人間性肯定の世界観の中、描いた作品。】
ー 今作は、ウェス・アンダーソンの第三作目だが、この時点で独自のシンメトリックな映像構成、独特なユーモアに満ちた人間性肯定の世界観が出来上がっている事に驚く。-
■テネンバウム家の長男チャス(ベン・ステイラー)は10代でビジネスに精通し、長女で養女のマーゴ(グウィネス・パルトロー)は12歳で劇作家デビュー、次男のリッチー(ルーク・ウィルソン)はテニスのジュニア選手権で3連覇を果たした。
しかし20年後、彼らは問題を抱えていた。
そんな中、父親のロイヤル(ジーン・ハックマン)は家族の絆を修復しようと画策する。
◆感想
・幼き時に、天才児と言われたロイヤル家の三兄弟(長女のマーゴが養女という設定が絶妙である。)。ロイヤルの破天荒な生き方に、妻は家を離れ、子供達も徐々に疎遠に。
◆そこで、ロイヤル・テネンバウムが贖罪の想いを込めて、”画策した事”。
・それにより、22年振りに再会した家族と友人は、昔の軋轢を徐々に乗り越えて行く・・。
・リッチーは、長年想いを持っていた姉、マーゴに”テントの中で”想いを伝え、父に使い込みをされ、妻を飛行機事故で亡くした悲しみと怒りを抱いていた、チャスは時間を掛けて、父を赦し、最期を看取る。
・劇中に流れる、エリオット・スミスや、ニコ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ボブ・ディラン、ニック・ドレイクなどのアコースティック・ミュージカルも作品の趣を高めている。
<天才ファミリーと称された家族の崩壊と再生を、ウェス・アンダーソンが、ユーモアと切なさを飄々としたトーンで描いた作品。
第三作にして、ウェス・アンダーソン独自の世界観が確立している事に、驚いた作品でもある。>
なぜ観に行こうと思ったのか、覚えていないけど
劇場公開時鑑賞。風変わりな家族の話だけど、もっとストレートなコメディを想像していたので、正直受け止めかねて困惑した。
何年も経ってからウェス・アンダーソン作品だったと知り、ああなるほどとは思ったが、それでもやっぱり困惑
もの凄く特徴的な映像
普通、脚本(お話)と監督(演出)の役割は半々ですが、この作品は0.5対9.5で監督作品です。
お話自体は若干風変りではあるものの、それほど特筆するほどでもありません。
観てない人に説明しようがありませんが、画面というより画像といった方がいいような映像が製図図面のように幾何学的な構図、別の表現ならアニメーションみたような構図で構成されています。色合いもパステル調。この監督2本目ですが予想通りブダペストと同様な特徴が顕著です。
悪く言えばクセの塊みたような映像なので生理的に受け付けない人も多いと思います。
私はハマりましたが、人に胸張ってオススメするような作品ではないです。
コメディということで
ヒット作『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソン監督作品
この人の映画はなんせ洒落てる…映像を見ているだけで楽しい!
破天荒なろくでなしのお父さんロイヤル・テネンバウム氏が
人生最終章に家族に向き合う、みたいな話だけど
あんまりそこはどうでもよくて
天才肌の個性的な面々がとにかく面白い!
コメディですね、ヒューマンコメディ♡
2022/3/20
ディズニーチャンネル配信で再見・追記
毎度出てくる達観した奥さん(またはママ)
この人がなかなかきょーれつですわ♡
長男親子がなぜジャージ着てるのか
誰かおしえてー
ボードゲームの小部屋が素敵
4階屋根裏のテントも居心地良さげ
分からんのが隣の幼馴染ね、
あとウェスアンダーソン監督のホテル愛
いつもうっとりする様式美
もっと変人でも良かったなぁ。
音楽やファッション、美術などセンスある映画ですね。
ストーリーは中盤飽きた。
ベンスティラーがもう少し変人だと良かったんだけど割とまともじゃない?
ロイヤルは自分勝手で家族には嫌われるけど憎めない良いキャラだと思う
モダンアートのような風刺
自分勝手な父親に振り回される家族と周囲の人々。
そんな父親も、少なからず多少の真実を語るので何だか憎めないです。
いわゆる「まとも」な登場人物がとても少ないです(笑)。
テネンバウムズ家に限らず、家庭の事情って、他から見れば幾らでも奇異なことがありますから、独特な色彩の風刺画のようでした。
愛を込めて描かれているけれど、意味不明な奇行もあり、豪華な俳優陣でなければ観なかったかな。
教養に裏打ちされたほのぼのさ
かなり見る人間を選ぶ作品を作る監督で、たぶんマーベルばっかり見てたりとかしたら物足りない感じになる。ムーンライズキングダムも物足りない感じになりそうですね。
もしレンタルした、ないし購入したDVDに監督の音声解説がついてたら是非そちらも見てください。本当に映画が好きで、本当に勉強してるすごい監督なんだなって感じるはずです。
現代映画の1つのトレンド
スコセッシも認めるウェス・アンダーソンはスコセッシ同様にオープニングの天才であり、映画を知り尽くしている。
嘗て天才一家と言われた過去に囚われるテネンバウムズ家の人々を1人1人丁寧に描く。
この映画の素晴らしさは映像のどの部分を切り取って見ても一様にして映画的で在るところだ。
教科書にしたいようなストーリー展開のさせかた。 それぞれに背負っているものが丁寧に描かれる人物描写。
左右対称など凝った画作り。
極めつけは、人物が自分の感情を行動という"映像"の形で露にすること。
映画作りの基本にこれ程に忠実で在るのに、今までに無かった独特で異質な作品だ。
まさにフィクションでしか成立しえない世界なのに現実味があり風刺的。
アルモドバルやコーエン兄弟、そしてウェス・アンダーソンなど"自分が体験することの無い特異な人生の追体験"というのが今日の映画界に於いて1つのトレンドである。
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