「素晴らしかった」Ray レイ 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしかった
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セックス、ドラッグ、ソウルミュージックといった趣で、レイ・チャールズがミュージシャンとして素晴らしく、人間としてゲスで大変よかった。人間性と才能を同時に立派でなければならないという最近の風潮には本当に辟易する。
特に音楽が素晴らしく、愛人との感情のもつれをそのままレコーディングに持ち込んだ『ヒット・ザ・ロード・ジャック』は特に愛人のコーラスにドスが効いていてかっこよかった。
伝記映画は人生の春夏秋冬を描き、特に故人の場合は冬が物語の終盤になり、ドラマの基本線である起承転結と食い違う。この映画もクライマックスのドラマはヘロンイン中毒からの回復という音楽的に盛り上がらない展開でその後も、よかったねという感じのまま終わった。最後にガツンとライブシーンで盛り上がって景気よく終わって欲しかった。
同時期に生きたもう一人の天才盲人ミュージシャンであるスティービーワンダーのことはどう思っていたのだろう。次世代のジョージクリントンやスライなどをどう思っていたのか気になった。
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