「【”責任を取る。それが私の仕事だ。”と言ってキャリアの室井管理官は所轄達に言った。今作は、組織の長たるべき者の資質とは如何にあるべきかを、コミカルとアクションを交えた作品の中で描いた作品である。】」踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”責任を取る。それが私の仕事だ。”と言ってキャリアの室井管理官は所轄達に言った。今作は、組織の長たるべき者の資質とは如何にあるべきかを、コミカルとアクションを交えた作品の中で描いた作品である。】
■お台場で猟奇的な殺人が起きる。被害者は会社経営者たちである。
そして、その殺人事件の捜査を仕切る女管理官沖田(真矢みき)が、湾岸署にやって来る。彼女は女性初の管理官と言う自負もあり、湾岸署員達に対し、婦女暴行事件やスリ被害などよりも、殺人事件捜査を優先しろ!と上から目線で言う。
だが、猟奇的な殺人は更に続き、沖田はそれを湾岸署員たちの所為のように言い保身を図る中、署員の恩田すみれが犯人の凶弾を胸部に受けてしまう。
◆感想<Caution!やや内容に触れています。>
・今作は、組織の長に立つ者の資質を描こうとした作品であると思う。沖田はその反面教師として描かれる。
彼女は、湾岸署員達に指示を出すときには”私の前では、立ちなさい。”と言い、”所轄”にはメンドクサイ仕事を言いつけ、上手く行かないと”私の経歴に傷が・・。”と呟くのである。
ヒジョーに分り易い、典型的なダメダメトップである。
・一方、捜査の長を解任された沖田に代わり、その責に着いた室井は違う。SATへの指示も上を通さずに行い、問われると”責任を取る。それが私の仕事だ。”と決然と言い放つのである。
青島(織田裕二)は、沖田に食ってかかるが、老刑事のワクサン(いかりや長介:いぶし銀の演技であるよ。)は沖田に対し”アンタの指示は受けない。”と静な声で言うのである。
・序でに言うと、事件を起こしたリストラされた人たちも、愚かしき上司への復讐を果たしたとも見えるのである。
■NOBUが考える、理想の組織の長の資質
1.常に沈着冷静。だが、ユーモア心も忘れない。
2.部下には公平に接する。(なるべく)
3.部下一人一人の力量を的確に見極めた上で、その部下の力量の少し上のレベルの仕事を与える。
けれども、失敗した時には大勢の前では叱らない。部屋に読んで自分で失敗した理由を考えさせ、一言だけアドバイスをする。そして、その失敗の責任を部下に押し付けず、自分の責とする。
4.褒める時は、多くの人の前で。
5.本当に叱るべき時には、激烈に叱る。但し、本人のメンタルの強さは考慮した上で。
<で、今作で室井はどうかと言うと、1.と4.が弱いかな。
けれども、青島と殺人事件解決した事で表彰された時に、席にいない青島の事を”かだっぱりごって”(意地を張りやがって)とニヤリと笑う姿を見るとユーモアがあるのではないかなあ。
けどね、組織って理想の組織の長の資質を持っていても、その組織が旧弊的だとナカナカトップにはなれないんだよねえ。
あと思うのは、真矢みきさんは良く沖田役を受けたなあとも思うのだな。だって、あの役は演じたくないでしょう。けれども彼女の憎らしい演技が合ってこそ、青島と室井が生きるのだから、真矢さんも頑張ったのだろうな。
それにしても、吸血鬼(岡村隆史)は、ドラマと関係があるのかな。ボク、ヨクワカラナカッタヨ。>