「未来に悲観的な深い暗さを感じた、不気味さも潜むミステリー」マイノリティ・リポート Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
未来に悲観的な深い暗さを感じた、不気味さも潜むミステリー
スティーブン・スピルバーグ 監督による2002年製作(145分)アメリカ映画。
原題または英題:Minority Report、配給:20世紀フォックス映画、劇場公開日:2002年12月7日。
原作はフィリップ・K・ディックの短編小説『少数報告』。予知能力者3名を使って、殺人事件を未然に防ぐシステミが作られている未来社会が舞台となっていて、なんとも言えないような気持ち悪さが、映画全体のあちこちから感じさせられた。不気味さも潜むミステリー映画という、スピルバーグ監督の新たな挑戦ということなのか?
3名の超能力者たちが、羊水の様な液体の中でまるで飼われている様なのが不気味。人権も無く、ひたすら能力を社会に奉仕させられている構図で、本人たちが見たくない殺人映像を言わば強制的に見せられているのが何とも哀れ。
トムクルーズ演じる殺人予定犯を捕まえる主人公は、この世界のヒーローであるが、息子を失い、クスリ中毒者である設定が、原作を反映してなのか、未来に悲観的な深い暗さを感じさせる。
超能力者も解放されて、主人公は元妻とよりを戻してハッピーエンドの様であったが、息子が生きて無いことが暗示されたものの誘拐したものが何者か分からないままなのが、不満として残ってしまった。
監督スティーブン・スピルバーグ、製作ジェラルド・R・モーレン 、ボニー・カーティス 、ウォルター・F・パークス 、ヤン・デ・ボン、製作総指揮ゲイリー・ゴールドマン、 ロナルド・シャセット、原作フィリップ・K・ディック、脚本スコット・フランク 。ジョン・コーエン、撮影ヤヌス・カミンスキー、美術アレックス・マクドウェル、衣装デボラ・L・スコット、編集マイケル・カーン、音楽ジョン・ウィリアムズ。
出演
トム・クルーズ、コリン・ファレル、サマンサ・モートン、マックス・フォン・シドー、ロイス・スミス、ピーター・ストーメア、ティム・ブレイク・ネルソン、スティーブ・ハリス、キャスリン・モリス、マイク・バインダー。