「誰でも興奮する‼️」マイノリティ・リポート 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
誰でも興奮する‼️
監督スティーブン・スピルバーグ、原作フィリップ・K・ディック、主演トム・クルーズによるSFアクションと聞けば、映画ファンは興奮して夜も眠れないでしょう‼️西暦2054年、"プリコグ" と呼ばれる3人の予知能力者によって、事件が発生する前に犯人を捕まえられる社会。その犯罪予防局のチーフとして活躍するジョン・アンダートンは、自らが犯人として予知されてしまう。自らの容疑を晴らそうと奔走するジョンだったが・・・‼️ここまでの設定は実に魅力的‼️スピルバーグ監督お得意の畳み掛けるアクション描写、見事な "指揮者" ぶりを発揮するトム・クルーズも役にピッタリの好演‼️未来世界のビジュアルもヒジョーに興味深く、縦横、左右、上下に疾走するハイウェイや、警官隊が背中に装着してるジェットエンジン、相手を嘔吐させる警棒、網膜スキャンを行う機械じかけのクモまで、アイデアにあふれてるし、それが同時に見事な見せ場ともなっております‼️ "プリコグ" の一人を演じるサマンサ・モートンも実に魅力的‼️市川崑監督作「おとうと」「幸福」でおなじみの銀残しの画面も作品の世界観にマッチしてると思います‼️ただスピルバーグ監督は「SFとフィルムノワールを融合させ、私の作品の中でも最も醜く、汚い作品」とおっしゃってましたが、「ブレードランナー」がSFとフィルムノワールの融合の成功例ですし、この「マイノリティ・リポート」もラストのジョンと妻が再婚し子宝に恵まれるという展開は、良くも悪くも甘っちょろく、いつものスピルバーグ監督作品らしい展開で、とてもフィルム・ノワールや汚いという言葉は当てはまらない‼️そして予知されたとは言え、罪を犯す前に逮捕する事、奴隷のように働かされる "プリコグ" たち、みたいなモラル的なテーマも深掘りされない‼️そして一応ミステリーの形は取っているものの、プロットは簡単に予想がつくし、既視感(デジャブ)を覚えるシーンが多い‼️例えばコリン・ファレル扮する司法省調査官のダニーが撃たれるシーン‼️あえて作品名は挙げませんが、是非ダニーには「ロロ・トマシ」と言って絶命して欲しかった(笑)‼️いろいろ文句をつけましたが、それでもSFアクションとしての完成度は高い‼️ただ神は細部に宿るという言葉があります‼️傑作になり損ねた快作「マイノリティ・リポート」‼️