「センスの塊のようなラブコメミュージカル」ラブ・アクチュアリー 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
センスの塊のようなラブコメミュージカル
日本初公開20周年を記念して4Kデジタルリマスター版が公開された本作。個人的に初見でしたが、実に心沸き立つ素晴らしい作品でした。
ジャンル的にはラブコメディーに属すると思われますが、驚くことに子供から大人まで、20人近いの登場人物のラブストーリーを同時並行的に描いていました。こうなると話が散漫になるかと思いきや、テンポの良さと随所随所に差し込まれるウィットに富んだ大人のジョーク、さらにはお色気シーン、そして何よりもミュージカルばりの音楽も最高で、ビートルズからマライアキャリーらの名曲が物語と絶妙に絡む形で次から次へと流れることで、最後まで全く飽きることなく観ることが出来ました。
また、多くの登場人物たちが互いに直接知り合いでなくとも、何処かで繋がっているという設定や、何よりもみんながクリスマスに向かう時を共有しているところが、それぞれのラブストーリーをひとつの物語として統合しているシナリオの素晴らしさに感心することしきりでした。そしてヒースロー空港に始まりヒースロー空港に終わるという構成もお洒落そのもの。いずれの観点からもセンスの塊のような作品で、”スマート”という言葉は本作にこそ相応しいと思わざるを得ません。
名作は20年経っても全く色褪せていませんでした。
そんな訳で、本作の評価は★4.8とします。
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