「奇跡的な成功を収めたシリーズの序章」ロード・オブ・ザ・リング ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)
奇跡的な成功を収めたシリーズの序章
今となっては、映画の公開前に原作を読んだのか、それとも映画を見終えてから原作を読んだのか、その記憶が定かではないのだけど、ともかく本作の公開を機に原作を読んでみた。その印象は「よくぞまぁ、あれだけ長い原作のエッセンスを的確に抽出して映画化したなぁ」というのが素直なところだ。
で、作品自体の評価だが、何より監督のピーター・ジャクソン自身が「指輪物語」の世界に強い愛情を持って、原作の魅力を損なうことなく映画化しているのが素晴らしい。当然、そのまま映画化できるわけもないので省略されているエピソードもあるが、決して作品の魅力は削がれていない。
また、本作をきっかけにスターダムに駆け上がったアラゴルン役のヴィゴ・モーテンセン、レゴラス役のオーランド・ブルーム、フロド役のイライジャ・ウッド、ガンダルフ役のイアン・マッケラン、そして、サム役を演じたことで再び注目が集まった「グーニーズ」のショーン・アスティンなどなど、キャストそれぞれがこれ以上ないくらいのはまり役で、それが物語の世界観を構築するのに一役も二役も買っている。
公開からだいぶ時間が経つが、一番弱い種族であるホビットのフロドが、自分が旅をするのを決断するシーンや、ガンダルフの戦いのシーンなど、今でも観ているだけで涙してしまうシーンが多々ある。奇跡的な成功を収めたシリーズの序章であるとともに、いつまでも心に残る1本。
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