ジャーヘッドのレビュー・感想・評価
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帰る場所
この作品を観て2つ思った事
1つ目はミリタリー作品でありながら戦闘シーンはほとんどなし、なのでストーリーはわりと淡々と進みました
でも退屈してつまらない事は全くなく、こんな駐屯地での日常があるんだという事
毎日のように敵と対峙する軍人さんもいれば、この作品のようにずっと出撃命令を待つだけの軍人さんも
1度も銃撃に合わず無事に帰国できて良かったと思うのですが、厳しい訓練を受けたのにも関わらず一度も銃を撃つ事なく帰国する事に虚しさを感じているようでした
2つ目は「帰る場所」
無事帰国して家族のもとや恋人のもとに帰ったのに、そこに幸せがあるわけじゃないという事
帰国してからの生活に馴染めず、そこが居場所ではないように、いるべき場所が砂漠であるかのように
この作品でも帰還兵が生きる難しさが描かれていました
いろんな作品でそう描かれるように、元のその人に戻れないのかもしれません
普段は緊張感などなく、いつもふざけた事を言ったり常にワイワイガャガチャと高校生みたいで、でも相手を思いやるさり気ない優しさもあったり、あんな感じで絆ができていくように思いました
観てる時より観終わってからの方がじわじわ良さがくる作品でした
戦争のむなしさを違った切り口で
「1917 命をかけた伝令」つながりで、今さらながらふと観たくなり鑑賞。
サム・メンデス監督作品はどれも共通点があるような、ないような…観終えるといつも何か不思議な気持ちに陥る。
本作もやはり、ある種独特な雰囲気あり。
作風とは直接関係はないかも知れないが、戦争のむなしさを表す切り口が今まで観てきた戦争ものとちょっと違うため、何となくすんなりとはついていけない。そして、主人公達は「死」を恐れている風には見えない。「死」を恐れる必要がないほど圧倒的優位に立っているのか。何かそのあたりも含めて今一つ共感しにくく、個人的には不完全燃焼に終わってしまった感が拭えない。
音楽はとても格好良かったし、ジェイク・ギレンホールのキレ具合も鬼気迫るものはあったが、その他の面ではちょっと期待していたほどではなかったのが正直なところかな。
あくまでも一個人の感想
湾岸戦争時にサウジアラビアに派遣されて
油田を守る部隊のお話。
厳しい訓練に耐え抜き、それでもアメリカ国内で
自分の出番を待つ。
湾岸戦争にてようやくサウジへ派遣。
しかし、パリッパリの戦場ではなく油田を守ることに。
敵はいつ来るのか?いつ交戦できるのか?
そんな中で登場人物たちは徐々に変わっていく。
狙撃の指令が出て士官を発見、狙撃許可を受けるが
狙撃直前に現地の上官から別の指示。
いつになったら人を撃てるのか。
ほどなく戦争終結。
帰国パレードでは英雄として迎えられるが
バスの中の隊員の目はうつろ。
戦地に赴いただけで戦争らしいことをしていない事への不満。
そんな環境が人を狂わせる。
まあ、ストリーを綴ったけど
なんか、観終わった後からじわっといろんなものがしみ込んでくる。
サバゲーやってて敵を倒せないで終わったときみたい。
そんな感覚が派遣された隊員の中にあっただろうし
それイコール敵を殺さないと戦争ではない。
的な感覚なのでは?と・・・
兎にも角にも戦争はよろしくないよ。
なんか、まとまりないレビュー・・・
戦闘シーンなし
O.P.P.
なんだかなあ、
戦争に翻弄された兵士たちの青春映画
湾岸戦争を描いたアクションものだと思っていたが、反戦の皮肉が効いた兵士たちの青春映画だった。
本作は圧倒的に生々しかった。
この映画、最後まで見ると、結構考えさせられるいい映画を見たなって気分になったのだが、如何せん途中経過が長すぎた。待機する日々、空虚な日々が退屈すぎて、飽きてしまった。だかその、映画を見ていた時の”飽き”でさえ、最後まで見た時の主人公に共感できるスパイスになったのが素晴らしかった。
本作は、忠実に再現し、リアルを追い求め、そこには妥協がないことで定評のあるメンデスが監督をし、湾岸戦争を体験した兵士の日記を原作にした作品ということもあってか、細部まで拘って、丁寧に作られていたなという印象。
全編通して、ただただ空虚でしかないことと、海兵隊の蔑称である”ジャーヘッド”が上手くかけられていて、最後にこのタイトルをつけたのに対して、なるほどなと納得できた。
戦争に参加したのに、1人も殺せないで、戦争に行った意味も見いだせないで終わったら何のために今まで青春時代を犠牲にして、訓練や待機してきたんだ、というスウォフォードの相棒の上官に対する悲痛な叫びが、物凄く伝わってきたし、めちゃくちゃ感情的になった。
スウォフォードが帰ってきて、彼女に裏切られていた時の、ジェイク・ギレンホールの哀愁溢れる顔から、戦争の空虚さが伝わって、ただただ虚しかった。ほんと、物凄く反戦的な作品。
俳優の演技は緊迫していて、真に迫るものかあったし、物凄く引き込まれた。主演ジェイク・ギレンホールとピーター・サースガードの2人はもちろんのこと、ジェイミー・フォックスやデニス・ヘイスバートなどで脇を固めていたのも良かった。配役の勝利。
確かに何もしないで時間だけが過ぎていく空虚な戦場の日常に焦りを感じている主人公を、反戦というテーマでうまく絡めた戦争映画を作り上げた一方、最初に書いた通り、途中ダレ過ぎていて飽きたし、つまらなかったり、汚かったり、不快なシーンが多かったので映画としては評価が低い。
本作は深いメッセージ性を秘めている作品であるが、一言で表すと、つまらないとかで終わりそうな映画であった。
逆に本作で、思ったよりも支持を得られなかったメンデスだからこそ、メッセージ性もあり、戦争映画としても楽しめる”1917”を作ってリベンジしたのかもしれない。
僕らはいつも砂漠にいる
3回目の鑑賞
これもまた自分にとって新しいタイプの戦争映画で感慨深い。時たまアメリカ人のノリや感覚がわからない時もあるけど、それも含めて独特の雰囲気と異臭を放つこの映画はたまに観たくなるシリーズの1つ。
(当然、実際の戦場に赴いたことはないのだが)リアルな兵隊の素性を戦闘シーンなしで描いているのが印象的で、あえて敵側を見せないところもまた彼らの孤独感を強く感じさせられる。
数多くの戦争映画を観てきたけど、大切な忘れ物を置いてきてしまったように、結局兵士は戦場に戻ってしまうんだな。あんなに帰りたがっていたのになぜだろう。
分かりたくもないけど
ジャーヘッドとは(自分用に)
「ジャーヘッド」とは「海兵隊員」の意味である。 それは彼らの髪型が高く刈り上げてお湯のポットの形をしているからだが、ジャーヘッドには他にも、「ラバ、うすのろ、ばか、大酒飲み」という軽蔑的、自虐的意味もある。 完全志願制で勇猛果敢さを標榜し、海外派遣の尖兵でもあるの海兵隊のマッチョなエリート意識の裏返しでもあるのだ。
待ってる女はいない
戦争とは誰の為に…
「ギュッ」とまとめると50分で。
戦争がどれだけ無駄なものかがわかる気がする
素晴らしいオチだ
湾岸戦争をイギリス人で「アメリカン・ビューティー」や「ロード・トゥ・パディション」を手がけた名匠サム・メンデス監督が手がけました。
序盤はキューブリックの名作「フルメタル・ジャケット」のような展開。だが、そこにはベトナム戦争で描かれたほどの緊迫感はない。やがて戦地に主人公達は赴き、そこで湾岸戦争の実態というものが映像化される。
それがなかなかなんです。
ほんと、まじで。友達から最後がなかなかと聞いてましたが、ほんと、なかなかなんです。イギリス人らしいアイロニーとでも言うのでしょうか。してやられた気分。メンデスさん、やるね~。これは、湾岸戦争版「フルメタル・ジャケット」なんでしょうね。最後を観ながら、わたくし皮肉まじりの笑いを浮かべたのですが、背筋になにやら冷たいものが走りました。この監督さん、改めてファンになりました。
何気にすごい
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