「どちらが本当の自分なのか、存在意義を問う」インファナル・アフェア Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
どちらが本当の自分なのか、存在意義を問う
総合:80点
ストーリー: 80
キャスト: 80
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 65
この作品のリメイク版である「ディパーテッド」を先に見て興味をもったのだが、こちらの作品もなかなかの良い出来だった。
潜入捜査官として犯罪組織に入り込み人間関係を築くが、部下や上司に信頼されたりしてみても、所詮は捜査のためという空しさがあるだろう。それなのに自分の身分ははっきりと保証されているわけでもなく、秘密を守るためとはいえほんの一握りの人物に運命が委ねられているという不安定がある。昔の知り合いに町で出会ったとしても、自分の職業とか今やっていることすら言えない辛さや後ろめたさは相当なものだろう。警官になった犯罪組織員も同様で、普段の警官としての仕事や家庭を持って順調に社会人として足場を固めていけば、自分はいったい何をするべきなのかと自問自答するのは当然。
そのような自らの存在意義を問いながら苦悩していく姿の物語と描き方が優れていた。物語の終わり方も想定していなくてうまくまとめていた。
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