「【10年もの長き間、”絶え間ない責め苦に合う責務”を負った哀しき二人が、立場は違えど、懸命に生きる姿を描いた作品。傑作である。】」インファナル・アフェア NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【10年もの長き間、”絶え間ない責め苦に合う責務”を負った哀しき二人が、立場は違えど、懸命に生きる姿を描いた作品。傑作である。】
ー 本作を、「追龍」の拙レビューにコメントを頂いた際に、
”この作品は、とても、面白いですよ!”
とお勧め頂いた、(敢えて、お名前を記させて頂きます。)talismanさんと、アンディぴっとさんに深く謝意を捧げます。(大袈裟ではなく、今作は沁みまくりましたので・・。)ー
◆感想(多くの方は、今作の内容はご存じだと思うので、シンプルに・・。)
・10代に、警察学校を表面上辞め、ウォン警視の指示により香港マフィアに潜入し捜査をするヤン(トニー・レオン)と、香港マフィアだったラウ(アンディ・ラウ)がサムの指示により警察に入り込み、夫々が、その組織で伸し上がって行く姿。
ー 最序盤で描かれる若き二人の姿が、後年の二人の、最重要シーンでフラッシュバックで描かれる手法の見事さ。ー
・ヤンが、長年の責務に心身が疲弊して、通っていた精神科医の美しいリー女医の部屋でぐっすりと眠る姿。
ー ヤンが彼女に恋心を持っているが、グッと堪える表情と、後半事実を知った彼女に言った言葉。
”僕のヒミツを覚えていて・・。さようなら・・。”
恋した女性を抗争に巻き込まないように、必死の思いで言った言葉を、トニー・レオンは、あの優しくも、切ない眼と表情で告げるのである・・。ー
・ヤンが、若き日の恋人と思われる女性と街中で出会うシーン。
ぎこちなく交わす会話。
”まだ、あの仕事をしているの・・”
女性が連れていた女の子をヤンが見ていると、女性が”5歳なの・・、もうすぐ夫が来るから・・”
と言い、ヤンが寂しげに去った後に女の子が母に言った言葉。
”ママ、私、6歳だよ・・。”
ー 切なすぎます・・。ー
◇今作は、この後も怒涛の如く、心に沁みるシーンが続く。
・ヤンが潜入捜査官である事を、唯一知るウォン警視が、サムの手下により殺害されるシーン。
ー ここで、ヤンの若き日のフラッシュバックが絶妙に映し出される。
ウォン警視の性格を、若き警察学校時代のヤンが靴下の履き間違いで言い当てるシーンや、ウォン警視がヤンの誕生日をきちんと覚えていて、密会のビルの屋上で渡したモノ。頼れる上司は部下の誕生日や、結婚記念日など大切な日は覚えているのである。ヤンに対し、非情な使命を与えたウォン警視の温かき、人間性。
そして、ヤンを兄貴と慕うキヨンが銃弾を腹部に受けながら言った言葉
”10分間も、アイツは口を割らなかった・・。兄貴がマッサージに行った事はサムには言っていない・・。”と言ってハンドルに突っ伏して、絶命する。
哀悼の様に鳴り響くクラクション・・。ー
・ウォン警視の遺品で、ヤンとの連絡で使っていた携帯を、サムの行いに憤りを覚えたラウが見つけ、保管ビニール袋越しに電話し、言った言葉。
”お前が潜入者か?””手を組もう・・”
無言のヤン。
・ラウは、サムをヤンの協力の元、地下駐車場に誘き出し・・。
ー 今度はここで、ラウの若き日のフラッシュバックが絶妙に映し出される。
”自分の道は、自分で選べ!”
”これが、俺の道だ!”
そして、地下駐車場に、一発の銃声が響く・・。ー
・警察内で、組織の壁を壊し、地位を築いたラウ。そこで、待っていたヤン。
二人は且つて、ステレオ屋で出会った居た・・。(若き二人が、相性が良いと直ぐに分かる、序盤で描かれたシーンが、効いている。)
そして、ヤンが”わざと”俺は知っている・・というメッセージとして、ラウに残した、用心棒の”棒”が書かれた封筒。パスワードのモールス信号。
そして、ラウはヤンの警察の履歴を削除する・・。
<ラストに至る過程は、是非ご自分で、ご覧いただきたい。
書きすぎた・・。
只、”チャンスをくれ・・。善人の道を選ぶ”と言うラウの言葉と、
”殉職した・・・。その志は、永遠なり”と言う言葉は記したい。
歩んだ道は違えど、与えられた仕事を人生を犠牲にしてでも、全うするという哀しき使命に導かれた二人の男の姿が鮮明に、且つ哀切に描かれた作品である。
傑作である。>
素晴らしいご両親ですね。
インファナルアフェア3部作、私も鑑賞迷っています。
この作品は元々3部作構成なのか、人気が出たので続編を作成したのか、定かではありません。
2はなる程、3は評価が分かれるような作りですね。(個人的に)
この三部作のBDは持っているのですが、恐らく4K版が出るのではと、期待しています。
ご返事ありがとうございます。
私も淀川さんは尊敬しております。
ですが、NOBUさんのようにはとてもできません。愛が足りないのでしょう。
私は、たまにちょこっと、レビューをす程度で十分です。ここにはNOBUさんをはじめ、素晴らしい方々がおりますので。
今後も宜しくお願いします。
NOBU さん、こんばんは。
この作品、語り出したら止まらないですよね。
私が何故、NOBUさんのレビューに魅了されるのか。
簡潔な物語紹介。
解説。
客観的な御意見。
たまに面白い御意見もありますが。
この3本立てがたまらなく素晴らしい、決して作品を貶めない。
このサイトは、映画愛に溢れている方が沢山いらっしゃいますね。
nobuさん、kossyさんのおっしゃるとおり、無間地獄に落ちますよ〜
ようこそ,いらっしゃい〜地獄を楽しみましょ〜!あー久しぶりにまた観たくなってきた🥰