グロリア(1980)のレビュー・感想・評価
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少年を預かることで保護者としての自覚が芽生える
私が知らないだけの大女優
やっと観れたぁ‼️
【胆が据わった子供嫌いな”組織”のボスの情婦だった中年女性と、”組織”の秘密が記された手帳を託された生意気な男の子が“組織"と対峙する中で芽生えた母性と和解を描くハードボイルド作品。】
■組織に狙われたある一家の息子・フィル(ジョン・アダムス)を偶然預かることになったグロリア(ジーナ・ローランズ)。
一家は爆殺され、秘密を握ったグロリアとフィルの逃亡劇が始まる。
ニューヨーク中を逃げ回るも、次々と追っ手が出現。グロリアは意を決して組織のボスに連絡を取る。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ひょんなことから隣人の会計士ジャックが、”組織”の会計をしていた事からその情報をFBIに流した事から、”組織”に狙われるのだが、ジャックからフィルを嫌々ながら預かったグロリアの胆の据わり方が凄い。
・フィルを守りながら逃げ回りつつ、”組織”の連中に拳銃をぶっ放し、果ては単身”殺すんなら、殺しな!”と言いながら”組織”のボスに会いに行くシーンでのグロリアの胆の据わり方にはビックリである。
<最初は反抗的だったフィルだが、グロリアが自分を必死に助けてくれる姿を見て徐々に懐いて行く姿。
それは、グロリアも同じで、徐々に母性が目覚めていく様が素晴しい。
フィルがグロリアに命じられた通り、ホテルで3時間半過ごした後に、同じくグロリアに言われた通りにピッツバーグに行く。
グロリアが死んだと思ったフィルは、或る墓地に行き”グロリア、会いたいよ。”と呟く。するとそこに一台のタクシーが停まり初老の女性が降りて来て”お婆ちゃんだよ。”と笑顔でフィルに話しかけ、ウイッグを外す。そして、二人は本当の親子の様に抱き合うのである。
沁みたなあ・・。>
スタイリッシュ
これが?
ニューヨーク・インディーズ版 「子連れ狼」‼️
これだけは断言できます‼️この作品なくして「レオン」はない‼️「レオン」も超名作だけど、この「グロリア」も超傑作‼️組織の秘密をFBIに売った父のせいで、幼いフィルは一家皆殺しにされ、自分も組織から狙われる。ふとしたことで彼を救ったのは同じアパートに住むグロリアだった。組織のボスの情婦だったグロリアは、フィルを守り、ついには組織のボスのもとに決着をつけに行く・・・ニューヨークの街並みというか空気感に見事にマッチした中年女性グロリアのたくましい存在感は素晴らしいの一言‼️エマニュエル・ウンガロのファッションに身を包み、タバコをふかし、髪を振り乱して地下鉄やバスに乗り、口笛を吹いてタクシーを止め、マフィアの一味に拳銃をブッ放すシーンや凄みの効いた笑顔まで、まさに映画史上に残るヒロイン‼️ジーナ・ローランズのハードボイルドな魅力に打ちのめされるし、監督のジョン・カサヴェテスも奥さんであるローランズの魅力を誰よりもわかっていたんでしょうね‼️彼女とフィルが次第に心を通わせていく過程も本当に感動的で、特にラストの墓地で繰り広げられるやりとりは印象的でした‼️シャロン・ストーンが無謀にもリメイク作に主演しています‼️作品の出来はともかく、このグロリアという女性は女優さんにとって挑戦しがいのある魅力的な役柄なのは間違いないです‼️
色気と可愛げのない人間は信じるな。
ジーナ・ローランズの映画はこの一本しか見ていない。今回で二回目だけれど・・・・何という気怠さだろう。舞台はブロンクス。エントランスのドアは手動。薄汚れた壁に落書きこそないが、果たしてエレベーターは動くのであろうか・・・・大きな荷物を抱えた中年女が部屋に入っていく。待っていたのは男。怯えた眼差しの女が憔悴した男を罵る・・・映画はそんな風に始まった。
男も女も老婆も子供も追いつめられた小動物のように体の動きがぎこちない。そして部屋をノックする音。拳銃を握りしめて訪問者を確かめる男と女。主人公の登場。中年のうらぶれた容姿だけれど眼差しは雌豹のように鋭い。もう、このシーンだけで、何かが起こる予感がしてしまう。いい映画と言うものは冒頭のシーンで八割がた決まってしまう。
ストーリーはありふれている。逃亡・母性・因縁・暴力・組織・・・・儚い希望。どれをとっても陳腐過ぎて語る言葉を見つけるのに苦労してしまう。しかし、そんな物語もこの女優が覆してしまう。挫折を何度味わえばこの倦怠は身に付くのだろう。ジーナの色気は倦怠のドン詰まりに達してもまだ足掻くところからしか生まれないだろう。子供嫌いの女が母性に覚醒させられるなどと言うことは凡そ現実には起こりえない。であるのに、女どおしの友情を言い訳に子連れの逃亡を実行に移す。半ばやけくそに無防備こそが女の最大の武器であるかのように・・・その決断する時の表情たるや見るものに100パーセントの満足感を与えてくれる。
糞生意気な天然パーマ少年は漢族が殺されて2~3日で自立してしまうが、危うい行動に愛嬌一杯であるが故に母性を蘇らせてしまう。元カレは犯罪組織のボス。しかし上質でシックなスーツなんぞ着てやしないし、高級ホテルの部屋で貫録に充ち溢れた座り方などしていなくて、分厚いレンズの眼鏡を掛けた爺さん。
演じる役者、舞台などこの映画ではすべて「生」なのだ。
芝居も映画も小説も「生」がいい。演技は嫌いな僕はこの映画を気に入っている。
やっと見ました
ジーナ・ローランズのタンカの切りっぷりがとんでもない
【あらすじ】
マフィアに襲撃された家族から6歳の男の子を預かった、元マフィアの情婦のグロリア。
男の子の持つ情報を狙って追いかけるマフィアに対して、グロリアは危険を知りつつも、男の子を守る為に組織と対立していき。。。
【感想】
余りの面白さに誰かれ構わず薦めたくなる程に、本当に面白い映画でした!
マフィアと対立する女一匹。その設定が凄いですが、
ジーナ・ローランズのタンカの切りっぷりがとんでもないです。
『 レオン 』の元ネタとなる話ですので、そちらがお好きな方にお勧めです。
ブログの方では、ネタバレありで個人感想の詳細とネット上での評判等を纏めています。
興味を持って頂けたら、プロフィールから見て頂けると嬉しいです。
ParisみたようなNY
公共交通機関と徒歩で逃げる女のかっこよさ
以前、『こわれゆく女』を観てわーわー言っていたら、友達が、ジーナローランズといえば、レオンの原型の『グロリア』!といっていて、気にはなっていたけれど…。
ハイヒールに大きなバッグ抱えて歩きとタクシーとバスと電車という公共交通機関で歩いて逃げるジーナローランズ!
歩き!?捕まるよ!スニーカーにしたら?などというリアリティーもカーチェースもいらぬ。
表情を隠すためにサングラスをかけるジーナの頬骨と歯を食い縛りながら笑顔を作る唇。このパーツだけでもう物凄くグロリアが溢れている。
メタファーにもとれるエンディングだけに、頭ではその内容を理解していても、見せてくれる映像の優しさに、カサヴェテス監督の厚い胸板に抱かれて号泣させてもらってるかのよう。嗚咽。
母が嗚咽しているリビングの後ろの窓には台風の雨が吹き付けていて、息子にとっては相当怖い朝だっただろう。かわいそうに。
女性が主役のハードボイルド
アメリカの女性版子連れ狼を描いたアクション映画。
主人公の毒舌かつ男気(女気?)に溢れたキャラクターも、ビシッと決めたファッション(ウンガロ)も、映像も、特にハイヒールにスーツ姿で銃を構えるところなど、ひたすらカッコよくて、観た後に肩をいからせたくなるような(単純w)作品だった。
カサベテスを好きになったきっかけ
女性版『レオン』
主人公グロリアが、マフィアに家族全員を殺された男の子を守るため逃走をしていく話。
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現代の映画で、殺し屋みたいな強い女性が描かれる時って、ピチッと決めたカッコ良い感じの服装が多いと思うんだけど、グロリアは服装かなり女性らしい。
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逃げてるのにあんなプリーツスカートとヒール邪魔でしょ。それでもゴツイ指輪に赤いネイル、タバコにスタイリッシュさがあるよね。
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この映画を下敷きにしてる『レオン』の方が評価がいいけど、こっちも普通に好きだったな。やっぱレオンは男だから言葉が少なすぎるよね。
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でもどうしても、最初のお姉ちゃんがグロリアと行きたくないってぐずったから結局一緒に殺されるっていうっていうくだりは全く理解できなかった。
マフィアから逃れる
冒頭のニューヨーク空撮シーンにうっとり。今までのカサヴェテス作品とは違うぞ!という意気込みを見せつけられた思いだ。しかし、『レオン』にも影響を与えたと言われるプロットで、暴力的なところがあまり感じられない。牙を剥くギャングたちというよりも、残虐なグロリアを前面に出そうとしていたことがわかるのです。
徐々に彼女がギャングたちと友達ということもわかってきて、実は怖い女だったんだ!だけど子供に対しては愛情を持ってるよ!といった心理面を見事に描いてはいる・・・しかし、ギャングたち弱すぎ。ストーリーもずっと同じことを繰り返しているだけだし、墓場のシーンやタクシーにお金を払うグロリアの真似とか、靴下の伏線なんかがよかっただけ。一番痛いのは子供フィルの台詞棒読みだ。
B級ならではの凄み
音楽もいい!
最初の音楽から何とも言えない、1980年の世界に引き込まれて行く。主人公と男の子の気持ちが変わっていく様子が良く分かる。中々面白い映画だった。最後まで観て欲しい。
死ぬ覚悟の決まった女は実にカッコいいね。グロリアのスパッと言い切るセリフにスカッとする。
でも日本バージョンで考えるとグロリアが○○組の女となり同情は出来なくなる。資金源とかね。悪同士で撃ち合い殺し合いはどうってことはないけど。
最後、墓地で会う約束はしていないのに、同じ時に会える2人はもう親子以上に分かり合える存在になったのかな。この先のことは敢えて考えまい。
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