ハッカビーズのレビュー・感想・評価
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哲学探偵を使った新手の心理サスペンス?
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ハッカビーズは単にファッカービーズのダジャレを言いたかった悪ふざけのタイトルでしょう。
豪華出演者とは裏腹な奇妙な登場人物たちの哲学的な物言いで煙に巻くブラック・コメディ映画、結局のところ人の考え方や心の多様性に法則性探求や心理分析を行っても一般解が得られるわけではないことは自明でしょう、ですから映画も曖昧、あれこれあって、それぞれの人生も人生観も変わって一件落着ではなくまた新たな悩みの始まりと煙に巻きます。
実生活でとくに悩んでいない人にまで、心の隙をついて悩ませる手口は新手のサスペンス手法かもしれませんね。
製作・脚本・監督のデビッド・O・ラッセルは大学時代、チベット仏教の教授(ロバート・サーマン)に傾倒しておりダスティン・ホフマンの役は教授をモチーフにしたそうですが、彼の唱える万物一体論は仏教の「縁起の法」なのでしょう。ニュートンもデカルトの著書の愛読家だったそうですが複雑性の科学や神の数式など科学と哲学は表裏一体なのかもしれません、もっとも映画ではほのめかすだけでその種のマニアをくすぐっているだけすが・・。
登場人物は環境活動家、やり手ビジネスマン、独善家の消防士、お人形扱いに悩み始めるモデルなど劇の構成上類型的な人格に染められていますので人形劇のような味わいです、哲学探偵と言うのも実証型セラピストと言うか犯罪心理分析官の亜流のような奇妙な職種です、虚無と退廃、暗黒面を司るような女流作家まで登場してスターウォーズを皮肉っているようにも思えます。ストーリーは単純なので観ていられましたが面倒な議論ばかりで正直疲れました。
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