「新しい登場人物の魅力が薄い」ハリー・ポッターと炎のゴブレット jellyfishさんの映画レビュー(感想・評価)
新しい登場人物の魅力が薄い
3作目までは無駄なくすっきりと伏線回収されていて作り込みが凄いなと思っていたけど、炎のゴブレットは不必要に思えるシーンも多々あり初めてああ楽しかった!という気持ちで終われなかった。
ハグリッドの恋愛とか特に、要るのかな?正直見ていて心地良いものでもなく…このあと何かに繋がるのか?
限られた時間の中で長い小説を無理やり掻い摘んでまとめるために、一気に増えたキャラクター達を一人一人深く掘れず内容が薄くなってしまっているような感じがした。
(原作は未読なのでどれほど省略されているのか分からないけど)
まず、以前友人に教えてもらった寮分け診断でハッフルパフになってから、ハッフルパフ生のセドリックが気になっていた。やっと出てきてくれたと思ったら、ハリーに親切にされて改心したように見えるシーンの繰り返しで、彼が誠実という風に私は思えないまますぐに死んでしまった。もっと魅力を知って好きになりたかったのに、、と残念だった。
また、ムーディはずっと閉じ込められていたので結局本人がどういう人なのかわからないまま。ザコシショウみたいな義眼で破天荒な言動がとても魅力的だったのに、ハリーとの信頼関係も無に帰した。展開として面白い部分だけど、個人的にお気に入りのキャラクターだっただけにここも寂しく感じてしまった。
ヴォルデモートは何だか、近づくほどにそれほどの脅威に感じられなくなってきている。得体の知れない未知のものだったからこそ恐ろしかったのかもしれない。子分として身近なマルフォイパパが登場したことで親近感が出てしまい、あまり子分たちに忠誠心を持たれてなさそうなところ、ハリーに逃げられて「アァーーーッ」と叫んでいたところ、ちょっと間抜けにも見えてしまった。
お話としては、大会の設定や意味が最後まであまり理解できず…
競技の内容は誰が決めて誰が準備しているのか?優勝杯をムーディが隠したと説明しているので先生たちが仕切っている?それなら、異常が起きている中の開催なんだからもっと安全な内容にしたらいいのにと思った。
棄権した選手の大切な人は、湖に拘束されたまま死なせるつもりだった?自ら名前を入れた生徒の命は自己責任としても、拘束された人達は全く関係ないのに。こんな乱暴な大会をあのダンブルドアが進めたのも納得ができない。
台本がこうだから決して演技の問題ではないけど、俳優さんが変わったこともあり、ハリーを疑って強く掴み掛かるダンブルドアが、生徒を囮にするダンブルドアがどうしても初期の彼と別人に見えてしまう。
全てを見通す神様のような人物が、ハリー自身の手で名前を入れたかどうかも見破れないだろうか?ハリーが深い信仰を示して不死鳥を呼んだことを喜んでいたのに、ダンブルドアはハリーを信じてくれないのか?
ストーリーをどうにか停滞させずに進めるため、ダンブルドアに成り変わった誰かが奮闘しているのだと、途中から想像して見たりしていた。