「ゾクゾクホッコリな三年生!ホグワーツに侵入者?殺してやる!!!」ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 NandSさんの映画レビュー(感想・評価)
ゾクゾクホッコリな三年生!ホグワーツに侵入者?殺してやる!!!
前提として
・多分2回目。
・原作は未読。
・『ハリー・ポッター』シリーズだと、『~と賢者の石』『~と秘密の部屋』は視聴済。その他もいくつか視聴済。
・アルフォンソ・キュアロン監督の他作品は未視聴。
面白かった。エンタメとしてかなりの要素が含まれている。
シリーズ全体で言うところの"承"だろうか。前作と比べて画面が暗い。
シリーズでは珍しく、ヴォルデモートが出てこない作品。その代わり、ハリーと両親にまつわる話が中心となる。
まず伏線回収がうまい。謎を散りばめることによってホラーに始まり、新アイテムや新しい呪文、そして新キャラクターがミステリーのように絡み合う。そして最後はまさかの時間物。ハッピーエンドで終わるため、観ていてかなりスッキリする。
しかもシリーズ全体で重要になる要素が満載。こういう橋渡し的な役割の作品って、次作に伏線回収を投げそうなものだが、しっかりと拾ってある。素晴らしい。
ついでに言うと、前作よりもダイジェスト感が薄い。しっかりとキャラの感情に自分の感情もついていってる感じ。置いてかれない作品っていいよね。
あ、でも初っ端は置いてかれた……誰だ大臣って。ちょっとは紹介してくれ。それ以外は大丈夫。
キャラの雰囲気が大きく変わるのにも驚いた(一番印象的だったのはロン)。心身の成長はもちろんだが、衣装も変化している。ダンブルドアなんて役者が変わってるからね。でも違和感ないのがすげぇ。
ハリーは両親と過ごしていた時間が誰よりも短いことが暗い影を落としている。ダドリー家に対しても、いつもより反抗的。そんなハリーが父親に似ているが、目は母親にそっくりであることを支えにしていく様子が良い。特にシリウスとルーピンとの会話が泣ける。
ロン、君めちゃくちゃ服装変わったね。かなりウィーズリー家の一員に近づいた感じ。でも精神は相変わらずだろうか。たまに良いこと言うのも相変わらず。
ハーマイオニーは勤勉な生徒のイメージをさらに強固に。でもなんだかイラついたり、恋の兆しが現れたり……これが思春期か。
ドラコはヘタレとして描かれてる。前作以上に情けない役回り。
スネイプは不憫(笑)。でもいい先生なんだよなぁ……
一人一人のキャラの変化を挙げていくとキリがない上に、シリーズ終盤の展開まで考慮した内容になってしまうので、ここでは割愛する。でも書きたい……う~~。
これだけ言わせて。フレッドとジョージファンは必見!
呪文や魔法の演出もパワーアップ。物(動物含め)が飛んでいく部分の縮尺が気になった程度で、あとはワクワクできた。
特に好きなのはバスの場面。あの短い分数で印象に残すのは相当力が入っている証拠。また出てこないかな……。
あ、あと透明マント!雪の描写と相まってすごくお気に入り。足跡がCGじゃないってマジ?!
エンドクレジットも最後まで観てほしい。あんなに小ネタ満載なのはなかなか無いぞ。
初めから終わりまで、雰囲気を大きく変えながら退屈させないこの映画。現状、シリーズの中では一番好き。
シリーズとしても、単作としても最高に面白い魔法体験と青春日誌。そんな作品。