ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 : インタビュー
「今後のハリポタは?」プロデューサーは語る
(編集部)
■5作目以降も監督が変わる?
そうなると次に気になるのは5作目の監督。4作目もキュアロンに続投を打診したということから、毎回変えるつもりはないということだろう。マイク・ニューウェルの結果次第ということもあるが、今後も監督は変えていくのか?
「確かに毎回必ず変えるつもりはない。まだ5作目に関しては、脚本もできあがってもいないからね。またアルフォンソが戻ってきてくれたら、それは嬉しいよ。彼からはまだまだ学ぶことが多いしね」
もし、マイク・ニューウェルが気に入られれば、続投することもあるのかもしれないが、今の段階ではまだ何もわからないのが実情のようだ。仮にそうなったとしても、マイク・ニューウェルが、これまでの監督同様、精魂を使い果たして辞めてしまう可能性ももちろんある。
■5作目も子役3人は続けるの?
監督のことも気になるが、おそらく誰もが気になっているのが、やはり主演の3人。2作目あたりから、「続ける」「辞める」のウワサが出てきているが、本当のところはどうなってるの?
「彼らに続けてほしいという気持ちは変わらないよ。ただ、彼ら自身が辞めたくなる時期がくるかもしれないし、そうなったら悲しいが仕方がない。基本的に、2作目の製作途中で3作目の交渉に入る……といった具合に、ある時期がきたら次の段階に進む。まだ5作目に関してはその段階ではないのだが、そろそろ交渉に入ろうと思っているところだよ」
ということは、またぞろ「辞める」「続ける」のウワサが流れてくるのかもしれない。しかし、ここまでイメージが定着し、人気が世界中に浸透した彼らを手放すのは、製作サイドにとっては、監督を変えることよりもはるかにリスキーなのは明らか。「スパイダーマン」や「スター・ウォーズ」(新3部作)が2年ないしは3年のスパンで、同一の監督で製作されているのに対して、1年半のペースで(たとえ監督が消耗して交代しなくてはいけなくても)続けているのは、彼ら3人の成長のペースにあわせなくてはならないという判断があるのだろう。
■原作者のご意見やいかに?
原作はどんどん長くなっている反面、映画の上映時間はこれ以上延ばせない。それどころか、「アズカバンの囚人」は上映時間が一番短くなった。必然的に原作から削る部分が増えていくわけだが……。
「ジョー(原作者J・K・ローリングの愛称)が一番大事だと思っていることは、文字通り本をそのまま映画にするということではなく、原作がもっている精神<スピリット>を描いてほしいということなんだ。ジョーは今回、アルフォンソが加えた要素は『自分が思いつけばよかった』と言っているくらいだし、映画の中で描かれなかった部分はなくてもまったくおかしくないと言っていたよ。私たちは、映画作りの各段階で必ず彼女にドラフトを見せているし、彼女は細かいことに注文をつけるというよりも、コンサルタント的な立場で質問に答えてくれているんだ」
シリーズ当初から原作者と映画製作サイドには強い信頼感があったというが、原作に忠実だった1作目、2作目に比べて、アレンジが施されている3作目も、ローリング女史のお墨付きは得ているようである。ということは、4作目以降はさらに大胆な原作エピソードのカットや映画独自のアレンジが加えられていく可能性は大きいはず。今後も、映画ならではの展開に期待することにしよう。まだまだ先は長い。
(C)2004 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights (C)J.K.R.