劇場公開日 2006年9月2日

「ポン・ジュノの傑作」グエムル 漢江の怪物 lotis1040さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ポン・ジュノの傑作

2013年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

何をとっても素晴らしい。
こういうのが好きなんでしょ? 日本人は? とエヴォリューションなシーンを入れてくるのだが、それを含めても含めなくてもこの映画の素晴らしさに変わりはない。

本当ならこれくらいのバランスで作れば、R100も評価されてたと思う。
まあそれは関係ないので、置いておくが。

しかし、この映画の中にある家族は、日本にもかつてあった家族だ。
おじいさんがいて、孫が3人。祖母と母はいないが、その代わりに下の孫2人が女の子だ。
どうしようもない父親。
それを支える一家というのがこの映画のフレームのひとつだ。
エヴォリューション感をちゃんとギャグとして入れ込みながら本当に描きたいものは、社会への風刺や家族やそういったものだったりする。
この映画の中は一見日常ではないかもしれない。
けれどもこの映画の中の日常に人々は生きている。
それだけで十分だ。

韓国の良心とも思えるポン・ジュノは、この作品で韓国への窮屈さをむき出しにした。
漢江の怪物は、そのメタファーだったのかもしれない。
自分たちの子供を奪ってゆく国家。
そんなものが何か彼の頭の中にあったのではないかと思う。

役者もよかった。全員よかったように思う。
そして何よりもすごかったのは怪物だろう。
怪物のCGは、日本のゲームへのオマージュがあるのか、動きまですごかった。
向こうから走ってくるシーンなども何か恐ろしいものがやってくるという描写として成立していると思った。

とにかくすごい。今からでも見ることをオススメしたい。

見た劇場は歌舞伎町のどこか。
思い出せない。

lotis1040