グッド・ウィル・ハンティング 旅立ちのレビュー・感想・評価
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感動するも…
カウンセリングシーンや、友人とのシーンなど各々の場面ではセリフもよく練られており、感動させてくれる。
しかし主人公の人物像などストーリー上、核となる部分で気になることがあり、手放しで感情移入出来なかった。
天才というものがこの物語の中で、人知を超えたスーパーパワーとして描かれているのは兎も角。
ウィルは大量の本を読んでいる、という説明があるにもかかわらず、なぜそんなに大量の本を読むに至ったのかが極めて謎。そこら辺に本や知識が転がっている環境ならまだしも、あの環境でその知識を集めるには、かなり自発的に”外へ”動いていかないと難しいのではないか。”内”に篭ってると描かれる彼にとって不思議な行動。
親友はいるのか?と聞かれて、シェイクスピアやニーチェ、と答えるのも謎。学問への誘いを小馬鹿にしながらことごとく断る反エリート主義な彼の行動から、彼らへの敬意は少しも垣間見られない。これは皮肉だったか?
就職が決まったにも関わらず、彼女の元へ向かうラストも、その間の感情の変化が描かれておらず、なんで急にそういう決断に至ったのかよくわからない。就職先だって押し付けられたものじゃなく、自分で選んだものらしかったし…先生と離れるのが寂しくて、人肌恋しくなったから?
チャッキーがウィルが居なくなって嬉しそうな顔をするシーンも。確かにチャッキーは急にお前が居なくなってて欲しい、と言ったが、それはいつまで経ってもその才能をくすぶらせてたら許さない、という話で、仕事を捨てて女の元へ行け、という事ではなかったのでは?と疑問が残った。
それに別に仕事か女か選ばなくても、最初からLAの仕事を紹介してもらえばよかったのに…あれほどの天才なら場所を選ばず引く手数多でしょう…
自分には刺激が足りなかった
名優ロビン・ウィリアムズの名演の渋さとマット・デーモンの教養小説のような脚本の巧みさ
俳優のマット・デーモンとベン・アフレックの共同脚本がアカデミー賞受賞の話題作。脚本家・演出家以外の主要キャストが脚本を兼ねる非常に稀な事例だが、どちらも充実した成果を上げていて、その才能の豊かさに感心してしまう。この若い才能を支える主演のロビン・ウィリアムズの渋い名演がまた素晴らしい。これまでの「ガープの世界」「いまを生きる」「レナードの朝」での自身の演技の集大成のような演技を見せて、心に傷を負った心理学者の内面を見事に表現している。アカデミー賞の助演男優賞受賞に議論の余地はないと云っていい。
物語は、天才的頭脳を持つアルバイト清掃員ウィル・ハンティングが、大学の廊下に出された数学の超難問を軽々と解き、高名な数学科教授の期待と羨望の星として輝く未来を獲得しようとするのが発端になる。だが、これをそのまま描いて、どこにでもある凡庸なストーリーにはしていない。頭脳明晰に反して虚勢を張る精神的に脆いウィルの改善をカウンセリングする、大学講師の心理学者ショーン・マグワイヤとのやり取りが物語を深める。妻を亡くした喪失感から抜け出せないショーンの方も変化し再生していくところが凄い。お互いの心の傷を認め合って生まれるカウンセリングの本質を見せてくれる。気まぐれでいて大人を冷静に観察するウィルの言動も、細かく丁寧に表現されているからだ。心理学に精通した脚本家デーモンの頭の良さが窺われる。それは、このウィリアムズ演じる心理学者を主人公にしたドラマがもう一作品作れるのではと思わせるくらいだ。
ショーンの治療を受け、ウィルは社会的成功より自分を偽らない新たな道を選択し、一度別れた恋人のもとへ向かう。素直な自分を見付けた青年は、良い恋愛を経験する。それが自立の一歩になるウィルの旅たちを、地に足の着いた現実的な論説で爽やかに描いた、教養小説のような映画の秀作。
2000年 4月22日
ほのぼの感、満載でした
めちゃくちゃいい映画!名作!
結局才能がもったいない気がしてしょーがない。
心を閉ざした天才青年と彼のセラピーを担当することになった心理学者の...
ひとりの青年が回復し成長する様をシンプルに描いた、心温まる一本。
天才的な頭脳を持ちながら、過去のトラウマから心を閉ざし非行に走る青年ウィルが、同じく心に傷を抱える心理学者ショーンと出会うことで人間的に回復し成長する姿を描くヒューマンドラマ。
監督は『ドラッグストア・カウボーイ』『マイ・プライベート・アイダホ』のガス・ヴァン・サント。
主人公ウィルを演じるのは『戦火の勇気』『レインメイカー』の名優マット・デイモン。
ウィルの親友チャッキーを演じるのは、『バッド・チューニング』『チェイシング・エイミー』のベン・アフレック。
友人の1人モーガンを『誘う女』『チェイシング・エイミー』の、ベン・アフレックの弟であり後のオスカー俳優ケイシー・アフレックが演じる。
心理学者ショーンを演じるのは『ミセス・ダウト』『ジュマンジ』のロビン・ウィリアムズ。本作でオスカーを獲得。
元は学生時代のマット・デイモンが授業の為に執筆した戯曲であり、それを幼なじみの友人ベン・アフレックに見せたところ、2人で映画用の脚本として作り直すことになった。
第70回アカデミー賞において、脚本賞(デイモン&ベン・アフレック)と助演男優賞(ロビン・ウィリアムズ)を受賞。
第55回ゴールデングローブ賞において脚本賞を受賞。
第3回放送映画批評家協会賞において、オリジナル脚本賞を受賞。
大きな事件が起こるわけでもなく、1人の青年の日常を淡々と描いていく作品。
地味なテイストの作品だが、ウィルの心情が変化する様が丁寧に描かれているため、物語に引き込まれていく。
繊細な青年ウィルを演じたマット・デイモンの演技が素晴らしい。
アカデミー賞を獲得したロビン・ウィリアムズの演技も良い。
心に傷を負った男性を陰のある演技で表現しているうえ、コメディアンとしての資質を活かした笑えるシーンも健在である。
アカデミー賞をはじめとして、数々の賞を受賞した脚本を書いたのは無名時代のマット・デイモン。ヒロインがハーバード大学に在籍しているのは本人もハーバード大出身だからだろう。
ベン・アフレックとマット・デイモンは少年時代からの親友らしいが、その2人がハリウッドの第一線で未だに活躍しているというのは、よく考えると凄い。
非常に良くできている映画なので、特にケチを付けるところもないのだが、少々自分と映画との間に距離を感じてしまうのは、主人公があまりにも天才すぎるからかも。
数学の天才というだけでも物凄く濃いキャラ付けなのに、歴史や芸術にも精通しているという天才の中の天才。
その為、アメリカ中の大企業や国防総省の情報機関NSAからオファーがくる。
ウィルがあまりにも現実離れしすぎた天才の為、凡人の自分にはちょっと感情移入しづらいと感じてしまった。
あと、ウィルの周りにいる人たち。教授や友人や恋人、みんないい人すぎ。
ウィル、お前十分恵まれてるじゃねえか!!とか思ったりして。
むしろ自分はショーンというキャラクターに惹かれた。
妻を失った悲しみを癒すことができていない中年心理学者。
彼がウィルをカウンセリングしていくうちに、彼自身も癒されていくという設定は非常に良いと思う。
…が、ウィルに対してショーンの描写が極端に少ない為、ショーンが回復していく過程が分かりづらかったのはちょっと勿体ないな、と感じてしまった。
もっとウィルとショーンの心の交流を全面的に描いてもよかったのかも。
クライマックスシーンは確かに感動的なのだが、ちょっと待てっ!
友人たちはウィルの就職祝いとして車をプレゼントしたのに、結局ウィルは旅に出てしまってますけど?しかも親友のチャッキーにも何も言わずに。
そりゃ、あの友人達ならウィルが就職しなくても文句言わないだろうけどさ、なんか違和感ありますよねぇ。
とまぁ、何点かケチをつけてしまいましたが、基本的には良く出来た作品で、誰にでもお勧めしやすいタイプの映画かな。
ハリウッド的ではない、地に足が着いた上品な映画。名優達の若い姿を見ることができる良作です。
君は悪くない。君は悪くない。君は悪くない・・・
【故、E・スミスの儚げで美しきメロディが彩る、深い哀しみを抱えた”ギフテッド”青年と心理学者の交流と二人が新たな道を歩み始める姿を描いた作品。心優しき”悪友達”との絆も心に残る作品でもある。】
ー この作品の内容は人口に膾炙していると思われるので、印象的なシーン、セリフを列挙し、亡き自死したエリオット・スミスの”私の好きな曲と絡めて”レビューとする。
エリオット・スミスの儚くも美しいアコースティックのギターが奏でる名曲の数々が、この作品を彩り、マット・デイモン演じる青年ウィルと、ロビン・ウィリアムズ演じる心理学者ショーン及び、マット・デイモンの盟友であるベン・アフレック演じるチャックが、ウィルを想う姿には、涙腺が脆くなる作品であるし、作品構成も見事なる作品である。-
<序盤>
・”フィールズ賞”受賞者のジェラルド・ランボー博士(ステラン・スカルスガルド)と”ギフテッド”青年ウィル(マット・デイモン)の出会いのシーン。
MITの廊下の黒板に整然と書かれた数式。モップを残したまま、逃げるように立ち去るウィルの後ろ姿。
ー 見事な、オープニングである。 -
・ランボー博士がウィルのために紹介したセラピストに次々に辞められ、6人目に紹介した元級友の心理学者ショーン(ロビン・ウィリアムズ)とウィルの初見のシーン。
知識をひけらかすウィルがショーンが描いた”嵐の中の港”についての”コメント”に激高するシーン。そして、ランボー博士にウィルのセラピーを約束するシーン。
ー ショーンは、ウィルの”生意気なコメント”から、彼が自分と同じ哀しみを抱えた人間だと感じたのだ・・。-
<中盤>
・ウィルが悪友、チャック(ベン・アフレック)、モーガン(ケイシー・アフレック)達とバーに出掛けて”凄い歴史の知識”をひけらかすシーン。
そして、ハーバード大の明るく、下ネタもOKな女子学生、スカイラー(ミニー・ドライヴァー)と交流を深めていくシーン。
ー スカイラー絡みのシーンには、必ず、故、E・スミスの儚げな声の美しきアコースティック・ミュージックが流れる。
”Between The Bars" ”No Name #3”・・。-
・ウィルのセラピーの時間にショーンが語る言葉。
”君の話は、全て本から学んだ事だ。本物を知らない・・””けれど、君自身の話なら聞こう。君について、知りたいんだ”
ー 驚く、ウィルの顔・・。そして、徐々に二人は公園などで、親し気に笑いながら話をする。ショーンの奥さんのオナラの話など・・。 -
・ウィルはスカイラーから、”一緒にカリフォルニアに来て欲しい・・。”と頼まれるが躊躇うウィル。
ショーンからは”君は本当は何がしたいのだ、友達はいるのか?”と問われ・・。
ー 過去のトラウマの影響で、彼は、自分の知っている範囲でしか行動できない。一歩足を踏み出せない・・。-
<後半>
・スカイラーは”何度も振り返りながら・・。”カリフォルニアに旅立つ。
ー その姿と共に流れる、E・スミスの”Angeles"が、実に切ない・・。-
■ウィルの代わりにランボー博士が紹介した会社の面接に行ったチャックがウィルに言い放つ言葉が、心に染み渡る。
【お前は宝くじの当たり券を持ちながら、現金化する度胸の無い奴だ!
俺の一日で最高の瞬間を教えてやろう。
お前の家のドアを叩き、10秒間待つ間だ。お前が出てこないことを願って・・!。】
ー このシーンは(も)、何度観ても涙が出る・・。
これ程の親友はそう簡単には出来ないだろう・・。(どう考えても、マット・デイモンとベン・アフレックの深い交流から出て来たとしか思えない台詞である。)-
・そして、ショーンはウィルに”君は悪くない。”と何度も言いながら、抱きしめる。
ウィルは無垢な子供の様に泣きながら、”僕を許して・・。”と詫びるのである。
ー このシーンは(も)、もう私にとっては涙なくしては観れない・・。ー
・ショーンが自らの旅立ちと共に、”グッド・ラック・サン!”とウィルを送り出すシーン。
<そして、”ウィルの21歳の誕生日にチャックを始めとした、悪友たちがプレゼントした落書きだらけの手作りの車”に乗って、彼はカリフォルニアに向けて車を走らせていく・・。>
<何回、鑑賞したのか分からない程、私に取って好きな好きな作品である。>
<2020年5月29日 コロナ禍に苦しんでいた安城コロナワールドにて鑑賞。>
<その他、他の媒体にて複数回、涙を流しながら観賞。>
ほかの方々が語りつくしていますので、そういう部分はもう書きませんw...
ほかの方々が語りつくしていますので、そういう部分はもう書きませんw
この映画のテーマを脚本のお二人がどこに置いていたのか、ホントのところはわかりませんが、たとえば、社会の中での大学みたいな場の意味であるとか、そこに関わ(った)る者の社会との関係、なんかも考えさせられるところがあった。
そこだけじゃなく、受験を勝ち抜き、官僚とか権力者とかになる者、資産家の家に生まれシード権のある者、その両方がある者、そのどちらも無い者、様々ですが、その様々な人間が、自分の意志であったり、否応なくであったり、これまた様々ですが、社会で役割分担を行っていく。
その方法がパターン化されてしまった世の中は、老化によって劣化してしまった身体のように、荒れ果て、乱れていくのかな、、
なんて、汚職にまみれた権力者が跋扈し、カネで心も身動きも封じられたサラリーマンやる同社で溢れる今の日本なんか、特にそう思いました。
以上、この映画を90年代ではなく、2020年代に観て、感じたことでした。
結局大切なのは…
人と向き合う
天才的な頭脳を持つ主人公。 誰もが羨む才能を彼は何とも思っていなか...
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