「持てる者は持たざる者。」グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち リュウジさんの映画レビュー(感想・評価)
持てる者は持たざる者。
初見はレンタルビデオ。
日本公開が1998年だからそれ以降。
最初見たときは旅立つ理由は理解しても、
「なぜ、チャンスをみすみす捨てるんだ」の思いの方が強かった。
が、鑑賞2度目の今回、全く違う思いとして帰ってきた。
さらには心理学者のロビンウイリアムスの立ち位置で映画を見ていた。
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旅立ったのはウィルだけでなく、ショーンもだった。
ウィルが持たざる部分に気づき、ウィルが持たざる部分に気づいた時、
自分が失ったものが妻だけでないことに気づいた。
立ち止まるな。人生はその先がある。
自分が一緒に山に登り、
時に映画を一緒に見に行く妻を亡くした時、どう思うのか。
その覚悟と準備。
そんな映画だと思った。
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持てる者の義務。才能は社会に生かさねばならない。
ランボー教授の大義名分はそれだろう。
彼も持てる者ではあったが、逆にウィルの出現のよって
持てる者としての誇りも自信も崩れ去った。
(持てる者だと思っていたのにウィルほど者はもっていないことに気づいた。
だとしても、持てる者を発見した義務を果たそうとした。
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その教授に「コーヒーをくれ」といわれて持ってくる助手。
持てる者にかしずく彼は、ランボー教授の隣でウィルを見ていた。
彼は何を考えていたのだろうか。
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ウィルの恋人、スカイラー。
彼女も持てる者だった。
しかし少女期に父を亡くし父との関係を持たざる者だった。
そして再びウィルを失った。
部屋で「なら愛してないと言って」と言ってウィルに「愛してない」と言われ、
電話で「愛しているい」と言ってウィルに「じゃあ」と言われ、
追いかけてくれるかも…と思った飛行場の搭乗口で来ないウィルを失った。
ボロ車で来た彼に対してウィルは何と言ったのだろうか。
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グッドウィルハンティングというタイトルには二つの意味があるという。
Good Will:善意、好意、思いやり、
人に向けた誠実な気持ちなどを意味する英語の表現。
Will Hunting:主人公の名前であると同時に、
「強い意志・良い意志(Will)を探し求める(Hunting)」という
意味もある。
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家族団らん、で愛された経験、自分の人生への信頼、自己肯定感、
さらには将来へ踏み出す勇気を持たざる者だったウィルは
この先どんな人になったんだろうか。
彼もこの先、誰かを助けただろうか。
